密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

歴史

古代史散策ガイド 巨大古墳の歩き方

監修:大塚 初重 日本には20万とも25万ともいわれる古墳があるそうだが、百舌鳥・古市古墳群をはじめとした日本の代表的な古墳とその歴史について一般向けに解説した本。143ページ中110ページまでがカラー印刷。 古墳とはどういうもので、どのような種類があ…

朝鮮人特攻隊―「日本人」として死んだ英霊たち

著:Bae Yeonhong 「太平洋戦争後に独立する祖国など想像もできなかった時代の雰囲気を、現在の歴史の価値観で否定することはできない。変わらない歴史をドラマのように変えたところで、そこから生まれるものは何もない」。 これはもっと読まれてもよい本な…

韓国のみならず、視野を大陸まで広げることで当時の日本への理解にも役立つ。「韓国併合への道 完全版」

著:呉 善花 本書は、李朝末期の朝鮮の歴史をまとめたものである。日韓併合はその終着駅である。この頃の朝鮮半島の歴史を扱った本、特に韓国人が書いたものは歴史に関しての複雑な感情が絡んで情緒的な解釈が目立つものもあるのだが、本書は比較的冷静に書…

薄い本だが、オタクなテーマで面白い。「江戸時代のお触れ 」(日本史リブレット)

著:藤井 讓治 インターネットもテレビも新聞も無い時代に、幕府の政策を広く伝える手段であった江戸時代のお触れについて解説した本。実際のお触れの文書の写真や、高札の写真が時々載っている。著者は日本近世史を専門とする大学名誉教授。 金銀改鋳。火事…

日本プラモデル六〇年史 (文春新書)

著:小林 昇 日本のプラモデルの歴史を振り返った本。いわゆるプラモデルは、進駐軍や海外渡航が制限されていた中でアメリカに出張した日本人などによって持ち込まれた。日本でポリスレチンの製造が始まったのは昭和32年。それまでの日本のおもちゃはセルロ…

日本・韓国・中国の考古学的な資料や出土品を丁寧に検証。入念かつ具体的に書かれた朝鮮半島の正しい古代史。『知っていますか、任那日本府』

著:大平 裕 入念な調査と史料の読み込みに基づいて書かれた古代史の本である。真摯かつ具体的に書かれており、適時地図や表として几帳面にまとめられている。本来、歴史を扱う本とはこのようにあるべきであろう。主張の中身は最近広く認識されてきている内…

つい手元に置いておきたくなる一冊。オールカラー。『復元CG 日本の城』

監修:三浦 正幸 天守閣が現存している城はいくつかある。かろうじて門など建物の一部が残っている城もある。一部であれば石垣だけが残されている城はけして少なくない。しかし、すべての城郭が残っている城は無い。多くの建物は明治時代に廃墟になり、取り…

丁寧なイラストによる解説。『オールカラー 徹底図解 日本の城』

著:香川 元太郎 城の本。全国百名城というようなタイプの本ではなく、城の役割や地形との関連や構造について解説したものである。 特徴としては、「徹底図解」とあるように、イラストレーターでもある著者が描き上げたイラストを豊富に掲載し、ビジュアル的…

ジャポニズムとは何か。実際はどうだったのか。『ジャポニスム 流行としての「日本」』

著:宮崎 克己 19世紀中盤以降、日本の文化や工芸品がヨーロッパで注目を浴びた。この一連の日本趣味のことを、「ジャポニズム」と呼ぶ。今に残るものとしては、マネ、モネ、ゴッホ、といった印象派の画家たちの作品群や足跡に、その影響をはっきり認めるこ…

もうひとつの坂の上の雲。たくさん存在する日露戦争に関する本の中でも屈指の一冊。『日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち』

著:板谷 敏彦 戦争にはカネがいる。ましてや、近代戦はおびただしい兵器と物量を必要とするため、カネがなければ勝てない。実は、日露戦争もそうだった。この本は、日露戦争について、国際的な資金調達合戦の視点から解説した書籍である。 同時に、資金調達…

地形と立地から読み解く「戦国の城」

萩原さちこ 曲輪、土塁、空堀、竪堀、横堀、畝上竪堀、切堀、土橋、馬出、小口、横矢掛かり。城は、地形を最大限利用して築かれてきた。山城、平山城、平城、水城(海城)といった種類があるが、丘、山、尾根、峠、川、湖、海と、天然の地形を最大限に利用し…

イルカと日本人: 追い込み漁の歴史と民俗

著:中村 羊一郎 日本人とイルカのかかわりの歴史は長い。各地の縄文遺跡からイルカの骨が出る例は少なくなく、中にはなんらかの儀式に使われたと思われる規則的な配列がみられるものもある。 本書は、かつて日本各地でおこなわれていたイルカの追い込み漁が…

首席侍女としてマリー・アントワネットを支え、ルイ16世に信頼され、のちにナポレオンからも厚遇された才女の激動の生涯。「カンパン夫人:フランス革命を生き抜いた首席侍女」

著:イネス・ド・ケルタンギ、訳:ダコスタ吉村花子 「私たちが生まれる時代を選んだのではありません。天の思し召しによって、試練の時代に生まれたのです」 (カンパン夫人からオルタンス・ド・ボアルネ宛の手紙より)。 ジャンヌ=ルイーズ=アンリエット・…

戦国の合戦 (学研新書)

著:小和田 哲男 兵はどのようにして集められたのか。何を食べていたのか。城に立てこもっていた男女子供は負けた後どうなったのか。いわゆる影武者は本当にいたのか。忠義を尽くして死んだ武将の子はどう扱われていたのか。今まで一般にはあまり注目されて…

日本の捕鯨の歴史を知る。「くじら取りの系譜―概説日本捕鯨史」

著:秋道 智彌 日本の捕鯨の歴史を紹介した本。地方によってかなり差はあるものの、主要な漁場を中心にみるとざっと以下のような歴史をたどったようだ。・縄文時代:イルカは獲っていた跡がある。鯨については骨は出てくるものの漂着したものを利用しただけ…

歴史REAL藤原氏 (洋泉社MOOK 歴史REAL)

藤原鎌足以降、日本史に欠かせない藤原氏についてまとめた本。ムック本で、オールカラー。資料の写真が豊富。 蘇我氏が牛耳っていた地位を、乙巳の変以降は藤原氏が握る。平安時代には、中級、下級役人まで藤原氏がとってゆき、千人を超える規模になる。皇族…

嘘だらけシリーズの第1弾。『嘘だらけの日米近現代史』

著:倉山 満 2012年に出版され、その後、続編が次々出て大ヒットシリーズになった「嘘だらけのXXX史」シリーズの記念すべき第1弾。刺激的な倉山節が、あちこちに顔を出す。 「クリントンの主な世界政策を振り返りましょう。北朝鮮を空爆できず核武装を許…

江戸の家計簿 (別冊宝島 2439)

著:磯田道史 江戸時代の物価を現代感覚で表現するのは難しい。今のような大量生産・大量輸送が容易ではなかったから、相対的に労働の価値に比べてモノや食料の価値が高い。 それでもあえて、江戸時代中期(18世紀初頭)の収入や物価を現代感覚ではいくら…

Come on! 家紋 「あなたの起源を読み解く 家紋の世界 」

著:インデックス編集部 家紋は、一言でいうなら、貴族で生まれ、武家に広まり、江戸時代には条件付きで庶民にも認められるようになったことから一気に多様化した、という歴史を持つ。 日本全国の代表的な家紋とその家紋に関する家柄や武将や貴族に関する簡…

織田信長の臣下の一人が書き残した決定的に重要な記録。「信長公記 (角川文庫―名著コレクション) 」

著:太田 牛一 太田牛一の「信長公記」の写本版です。中古商品で買いました。約400年の時を超え、こうやって文庫で読めるのは大変ありがたいです。 古い文章なので、いきなりだと現代人には読みにくいですが、現代語訳も出ているのでそちらの助けも借りで両…

飢餓や戦乱や近隣との争いといった過酷な状況の中で、生き抜いてきた百姓たちと村の仕組み。「中世民衆の世界」

著:藤木 久志 日本の中世の百姓たちの行動と村の内実を、様々な古文書の記述から推測したもの。今までの常識に異を唱えているところもある。中世の村のしくみについて基本から系統立てて説明している本ではなく、ある程度中世の村と支配体制についての基礎…

嘘だらけの日独近現代史 (扶桑社新書)

著:倉山 満 「嘘だらけシリーズ」の完結編。このシリーズはすべてそうだが、著者の毒舌調の解説が特徴で、本書でもそれは随所に出ている。もっとも、日本との関係ということでいくなら、この本以前の日米・日英・日中・日露でも指摘されている重複している…

ただただ不毛で不条理。「応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 」

著:呉座 勇一 「これだけ大規模で長期にわたる戦乱なのに、大名たちが何のために戦ったのか見えてこないというのは不思議である。劇的で華々しいところがまるでなく、ただただ不毛で不条理。これが応仁の乱の難解さ、ひいては不人気につながっているのだろ…

ほんとうは、日韓併合が韓国を救った! (WAC BUNKO)

著:松木 國俊 以前は取り立てて問題にしていたわけではない旭日旗を戦犯旗だというキャンペーンを世界的に始めたりするなど、韓国側の歴史認識はかえってひどくなっている面もあるが、日本国民の日韓併合時代の歴史認識についてはこの本のオリジナルが出た…

室町幕府って、本当にダメダメだったんだな。『図説 室町幕府』

著:丸山裕之 応仁の乱を扱った本が異例の大ヒットを記録してから、室町時代をテーマにした本が地味ながら何冊も出ている。この本もその一冊といえる。 室町幕府は守護たちに支えられた連合政権といわれるが、実際はもう少し複雑である。行政・軍事体制は発…

高精細画像で甦る 150年前の幕末・明治初期日本 ブルガー&モーザーのガラス原板写真コレクション

編集:東京大学史料編纂所 古写真研究プロジェクト 150年前に来日したブルガーとモーザーというオーストリア人2人が日本で撮影した270点の写真を、現代のデジタル技術を駆使して再現したものである。本書の解説によると、ここで再現されている映像の元は、…

昭和初期を中心に。日本は実はこういう国だった。『教科書には載っていない! 戦前の日本』

著:武田 知弘 紡績はもちろん、自転車におもちゃに鉄と、貿易大国だった戦前の日本。アジアの革命家の拠点でもあった。世界の最先端分野がいくつもあった科学力。 全身に入れ墨を入れていた小泉又次郎代議士(小泉純一郎の祖父)。合法的な売春地帯であった…

地震、噴火、土砂崩れ、津波。災害に見舞われ続けてきた日本。「天災から日本史を読みなおす - 先人に学ぶ防災 」

著:磯田 道史 「300年前のこの古文書は我々に物語る。老人・子どもは災害時の低体温症にとくに弱いこと。年長者は責任ある言動をしなければならないこと。疲労困憊時には弱気になり判断が鈍ること。我々はこれらを自覚して、老いも若かきも、最後まで避難を…

本当に広大だった大日本帝国の勢力圏。終戦の日を境にそれが消滅。激動の歴史。『「大日本帝国」崩壊―東アジアの1945年』

著:加藤 聖文 広大な大日本帝国の勢力圏がポツダム宣言受諾後にどのような道を歩んだのか、その激動の様子まとめた本である。朝鮮:直後から複数の政治団体が乱立。朝鮮総統府は現地の元政治犯に丸投げしようとしたが、アメリカの統治開始で李承晩が南朝鮮…

スピードと集中の信長。「織田信長合戦全録―桶狭間から本能寺まで 」

著:谷口 克広 「信長が長期にわたる包囲戦の効果を理解できなかったはずはない。だが、嫌う傾向にあったとはいえる」。 信長の戦い方、特に桶狭間の戦いに関しては近年新説も出ていて、それに対する反論や諸説も出ているようだ。少し前の本なので、新説につ…