著:香川 元太郎
城の本。全国百名城というようなタイプの本ではなく、城の役割や地形との関連や構造について解説したものである。
特徴としては、「徹底図解」とあるように、イラストレーターでもある著者が描き上げたイラストを豊富に掲載し、ビジュアル的に理解できるようにしてあることである。
テーマごとに書かれてあり、おおむね、見開きで左ページが解説、右ページがイラストになっている。
城とはそもそもどういうものか。本城・繋ぎの城・伝えの城・根城・境目の城の役割。土の城から石の城。縄張・普請・作事。曲輪。切岸・堀切・竪堀・横堀。虎口。城門・土橋・木橋。火の見櫓・月見櫓・鐘楼・太鼓櫓。天守閣。御殿。番所・厩。陣城・付城。攻撃と防御。
それにしても、とても分かりやすく、精巧なイラストの数々である。縄張りや周囲も含め、当時の様子そっくりそのままで現代に残っている城なんて無いのだから、当時の様子をビジュアル的に理解するには、イラストの方が現代になって撮影された写真よりも適切だといえるかもしれない。そういう点で、城に関心がある人は手元に置いておく価値がある本だといえる。
単行本、207ページ、学研プラス、2018/12/11