編集:東京大学史料編纂所 古写真研究プロジェクト
150年前に来日したブルガーとモーザーというオーストリア人2人が日本で撮影した270点の写真を、現代のデジタル技術を駆使して再現したものである。本書の解説によると、ここで再現されている映像の元は、「ガラス・コロジオン・ネガ」というもので、印画紙に密着させて焼き付けるための中間媒体のものであるという。含まれている情報量が多く、精密な再現が可能になったようだ。
簡素な木造住宅がところせましと並ぶ町の様子。愛宕山から撮影された、その後に火災で焼けてしまった江戸の屋敷の並び。洋館、簡素な鉄道、浜離宮や増上寺。ぼろぼろになった小田原城。洋館が並ぶ当時の横浜。侍、庶民、女性。鎌倉。京都の五条大橋。長崎。
大型本で、丁寧に研究され、再現され、編集されている。昔の日本を撮影した写真を再現した本は近年いくつも出ているが、この本はその中でもかなり質の高いものである。
大型本、343ページ、洋泉社、2018/2/20
高精細画像で甦る 150年前の幕末・明治初期日本 ブルガー&モーザーのガラス原板写真コレクション
- 作者: 東京大学史料編纂所古写真研究プロジェクト
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2018/02/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
高精細画像で甦る150年前の幕末・明治初期日本 ブルガー&モーザーのガラス原板写真コレクション [ 東京大学史料編纂所古写真研究プロジェクト ]
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