密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

健康・医療

新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)流行の時代に、感染症やウイルスのパンデミックと人類が歩んだ歴史とそこから学ぶこと。「感染症と文明――共生への道」 (岩波新書)

著:山本 太郎ウイルスを含むさまざまな感染症と人類の歩みについてまとめた本。薄い本だが、骨子が明確で、コンパクトに記述されている。なかなか面白い。著者は、アフリカやハイチなどで感染症対策に従事した経験を持つ、長崎大学熱帯医学研究所教授。ちょ…

ウルトラ図解 関節リウマチ: 病気を進行させない早期対応と治療の最新知識

監修:宮坂 信之 関節リウマチは、関節包の内部にある滑膜で免疫細胞が間接組織を破壊することで発生する。ただ、初期の段階では、間接の変形はいきなり現れるわけではなく、こわばりや関節のはれが起き、倦怠感や微熱がある。 関節炎の痛みや腫れは、複数の…

がんを宣告されたら。対処の基本は、不安と痛みの正体を、可視化すること。『がんを生きぬくお金と仕事の相談室』

著:辻本由香 一生の間に2人に1人ががんになる時代である。がんになったからといって、早期発見であれば、必ずしも死ぬとは限らない時代でもある。 しかし、がんになると様々な不安や心身の苦しみに囲まれる。医学的なことは医者と相談しながら進めること…

患者を抱え込む「なんちゃって専門医」「プライド高き専門医」にご注意。『その診断を疑え! 』

著:池谷 敏郎 著者が院長を務める内科・循環器科専門のクリニックには、いくつも病院を替えて渡り歩く患者が数多く来るという。どうしてそのような患者が世の中に大勢いるのか、その背景には何があるのか、セカンドオピニオンのあり方や病院選びの基準など…

認知症の根治は難しいので、元気なうちから生活習慣を見直し、予防することが何より大事。『新版 ボケない技術』

著:奥村歩 「認知症」とひとことでいっても、実際は、原因はいろいろだ。「もの忘れ外来」に来る人の診断結果の内訳は、以下のようになっているという。 アルツハイマー型 30% 前頭側頭型(ピック病等) 20% MCI(軽度認知障害) 18% うつ病など 16% レ…

NHKガッテン! なるほど新スゴ技

編集:NHK科学・環境番組部 NHKのテレビ番組である「NHKガッテン!」から、日常生活の役に立ちそうなトピックを集めて紹介した本。あっさり読める。 慢性腰痛になる人は寝返りが少ないため、寝ているときに腰に負担がかかっていることがある。対策としては、…

腰痛の85%は原因不明。『図解入門 よくわかる 腰・腰椎の動きとしくみ』

著:永木和載、監修:大平雄一 日本人の8割が一生のうちに一度は腰痛を経験するという。また、腰痛の85%が原因不明だという。腰痛についての本。 医師が腰痛患者に実施する検査は、問診、画像検査、神経検査の3つ。原因がわからない「非特異的腰痛症」とさ…

SHINSEI Health and Sports 腰痛は治る!

著:川合 晃生 腰痛についての本。レントゲンやMRIの画像は治療の目安でしかないという。小さいヘルニアや脊柱管狭窄症は画像では判断できないことが多いからだ。画像で異常が見当たらなくても痛みがあることもあれば、画像で異常があるのに痛みを感じないこ…

体と病気の科学知識 (ニュートン別冊)

科学雑誌Newtonの別冊。タイトル通り、人間の体と病気について、過去のNewtonに掲載された記事をまとめた内容になっている。 大腸の悪玉菌はタンパク質を食料にするというのは知らなかった。腰痛の多くは実は原因不明。歯周病菌は、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬…

図解が多くて薄いので不整脈について基礎的な知識を得るのに好適。「不整脈・心房細動がわかる本 脈の乱れが気になる人へ (健康ライブラリーイラスト版) 」

監修:山根 禎一 不整脈は、心臓の動きのリズムや速さに異常が起き、脈が乱れる状態である。不整脈がすべて病気ということはなく、放置しておいても問題のない正常範囲の乱れが多い。しかし、すぐに死亡につながりかねない病気が不整脈となって表れているも…

カラー版 9割の腰痛は自分で治せる (中経の文庫)

著:坂戸 孝志 腰痛は筋肉の緊張によって引き起こされているので、対策としてはその筋肉を日々柔らかくすればよいと主張し、同時に腰痛緩和につながる効果的なエクササイズ法について写真つきで詳しく解説している本。腸骨のずれを調整する方法というのもあ…

(NCD: Non-communicable disease)を知っていますか?「健康長寿のための医学」

著:井村 裕夫 医学の進歩や衛生環境の改善によって、先進国では感染症は減っている。平均寿命も延びた。感染症に代わって大きな脅威になっているのは、ガンや糖尿病や心疾患やアルツハイマー病のような非感染症疾患(NCD: Non-communicable disease)である。…

睡眠時間6時間未満の寝不足は要注意!アルツハイマー病や、がんになりやすい!NHKスペシャル取材班「睡眠負債 『ちょっと寝不足』が命を縮める」

著:NHKスペシャル取材班 「睡眠負債」という言葉は、2017年の新語・流行語大賞のトップ10に入ったという。英語の”Sleeping Debt”を訳してTV番組として紹介したNHKスペシャルの取材班が、番組では紹介しきれなかったことも盛り込んで世に出した本である。 脳…

キラーストレス 心と体をどう守るか

著:NHKスペシャル取材班 NHKスペシャル取材班が番組制作用に取材した内容を元にまとめられたストレスについての本。 特徴としては、大きく2つある。まず第1に、キラーストレスという表現で、現代人のストレスがフィジカル(身体)に及ぼす影響について迫っ…

介護漂流: 認知症事故と支えきれない家族

著:山口 道宏 平成26年版高齢社会白書によると、日本の要介護高齢者数は545万人を超えるという。このうち8割の人が在宅である。 この在宅介護の問題を中心に据えながら、高齢化社会における介護の現実と課題について具体例をあげながら示した本。介護を受け…

健康で長生きするための4つのポイント。『NHKきょうの健康 「筋肉」「骨」「歯」「認知症」の最新対策 (生活シリーズ)』

編集:NHK「きょうの健康」番組制作班、主婦と生活社ライフ・プラス編集部 老化を完全に防ぐことはできないが、病気の早期発見・早期治療に努めると同時に、体の衰えを防ぐことで、健康な状態で長く生活することは可能だという。ではどうすればそれが可能な…

プチ整形手術が普通になってきた世の中で。女性の立場で書かれた、「整形した女は幸せになっているのか 」

著:北条 かや タイトル通りの本。読みながら、「この本は男には書けないな」と思った。実際、ところどころ、同性ならではの細やかな女性心理にもとづく意見やトレンドの微妙な移り変わりを踏まえた見解がみられる。例えば、近年「プチ整形」に走る人が増え…

国立がんセンターならではの科学的な解説。『「がん」はなぜできるのか そのメカニズムからゲノム医療まで 』

編集:国立がん研究センター研究所 がんは遺伝子の病気である。遺伝子の傷が30-100個程度積み重なることから生じ、がん細胞では染色体異常がたくさん起こっている。我々の体は遺伝子の傷を修復する仕組みが備わっていてRb1やp53のようにがんを抑制する遺伝…

長友佑都体幹トレーニング20(日本代表長友選手の本)

著:長友 佑都 「多くの一流アスリートのトレーニングを見てきて感じるのは、彼らのトレーニングは『質が高い』ということです。それは、単にトレーニングのレベルが高い、ということだけではありません。彼らは脳で理解しながらトレーニングをしているので…

気になりませんか?あなたの口臭・あなたの体臭。科学で説明する「日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学」

著:桐村 里紗 体臭と口臭がどのような原因で発生するのか、どのようにすれば防げるのか、について書かれた本。著者は医師。 狭義の体臭とは、汗腺(エクリン汗腺・アポクリン汗腺)を通じて分泌される分泌物と皮膚の表面に棲む常在菌の作用による。エクリン…

痛みはうつぶせで治しなさい: 腰痛、ひざ痛、肩こりのない長持ちするからだをつくるには

著:舟波 真一、著:山岸 茂則 いろいろ書いてあるが、要は、1日に2回、以下のように腰をゆらゆら動かすようにすると良い、と説いている本である。 1.枕をかかえてうつぶせになる2.うつぶせになったまま足を少し開いて楽にする3.骨盤を中心に、金魚に…

「流れる臓器」血液の科学―血球たちの姿と働き

著:中竹 俊彦 「私は、マスコミが広めた『血液サラサラ』『血液ドロドロ』は、医学や科学科学の立場からはふさわしくないと考えます。『血液型性格診断』など論外のことです」。血液の成分、働き、赤血球や白血球などの役割、仕組みの概要についてわかりや…

100歳まで元気に歩く! 正しい歩き方

速歩きでウォーキングを継続して行うことの重要性とその効果および歩き方について説明している本。ムック本サイズで図解が多い。 1日1万歩以上の必要はなく、1日8000歩を目安とし、中強度の運動を行う時間を20分とる。中強度の運動とは、広い歩幅で速歩きす…

依存症 家族を支えるQ&A: アルコール・薬物・ギャンブル依存症 家族のメッセージを添えて

著:西川 京子 依存症には大きく分けて2種類あるという。アルコールや薬物のようなモノに対する依存。もうひとつは、ギャンブル、窃盗、ネットゲーム、買い物といった行動や過程に関する依存である。依存症からの回復には、医学的な療法、自助グループへの…

医者の9割はうつを治せない

著:千村晃 「私はどうして他人のように頑張れないのだろうか」と自分を責めるタイプの方がうつになりやすいという。責任感の強い人が夢中になって休まず仕事を続けているとうつになるケースもある。 環境への過剰適応の状態が続くとうつになりやすく、五月…

特に問題なのは、一人で苦しむこと。「助けて」が言えない、本音を簡単には明かせない苦しみ。閉じた中で、悪循環がおきる。『自傷・自殺のことがわかる本 自分を傷つけない生き方のレッスン』

著:松本俊彦 「くれぐれも、ここに書かれたことをすべて実行しようとしないことです。大切なのは、自分にとって都合のよいものだけを採用すること、すなわち、『イイトコ取り』です。そして忘れないでください。嫌なものを嫌といい、納得できないことには従…

歯はみがいてはいけない

著:森 昭 一時よく売れたようなので、読んでみた。この本のタイトルは明らかにミスリードを狙っている。正確には、「歯はみがいてはいけない」ではなく、「食後すぐ歯をみがくのはよくない」である。ポイントは、以下の4点になる。・みがくもの:食べかすで…

視力を失わない生き方 日本の眼科医療は間違いだらけ

著:深作 秀春 この本は衝撃だった。著者は、若い頃に渡米して本場の眼科治療とはどういうものかを肌で学び、ドイツでも共同研究を行い、そのような海外とのコネクションを維持しながらアメリカ白内障屈折矯正学会(ASCRS)の最高賞を20回受賞して常任理事も務…

オールカラー図解 病院のすべてがわかる!

著:コンパッソ税理士法人 病院ではいろいろな人が働いている。医師や看護婦だけではない。薬剤師、臨床検査技師、放射線技師、理学療法士、管理栄養士、事務系職員、ソーシャルワーカー、保育士、介護福祉士、院内SE。総合病院にもなると診療科はたくさんあ…

間違いだらけ! 日本人のストレッチ - 大切なのは体の柔軟性ではなくて「自由度」です

著:森本 貴義 体が柔らかいからいいとは限らない、大切なのは自分の体を意のままに操作できる自由度であり、心と体の一つ一つの経緯と向かい合いながらゴールを決めてストレッチを行うべき、と説いている本。 呼吸に意識を置いて、きちんと鼻から据えている…