密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

オールカラー図解 病院のすべてがわかる!

著:コンパッソ税理士法人


病院ではいろいろな人が働いている。医師や看護婦だけではない。薬剤師、臨床検査技師放射線技師、理学療法士、管理栄養士、事務系職員、ソーシャルワーカー、保育士、介護福祉士、院内SE。総合病院にもなると診療科はたくさんあり、検査用の機械もたくさんあるし、関連する業者も多く、自治体はじめ地域との連携も重要になる。大病院になると巨大かつ複雑な大組織である。

本書は、このような病院というものについて様々な方面から立体的に解説した本である。病院の種類や定義、病院に関する制度、病院の構造、どのような役割の人が働いているのか、診療や治療はどのような仕組みで行われるのか、検査はどのようになっているのか、医療費はどういうルールでどのように計算されるのか、病院というのはどのように経営されているのか、地域連携と病院、医療制度との関連、これからの病院、といった内容である。

高齢化社会の到来とともに、病院に頼る可能性の高い年齢の人々は増えている。一方、国の医療費抑制の方針もあり、病院の経営は苦しい。自治体病院については90%が赤字だという。看護師は激務なので、定着率を高める工夫も行われている。医療従事者の研修に力を入れる動きもある。外部企業へのアウトソーシングも進んでいる。地域の診療所や介護との連携も重要だ。認知症の増加や精神疾患の増加といった傾向への対応も求められる。

カラー印刷で、図解が豊富。テーマ別にわかりやすく書かれてあり、特に前提知識は必要ない。

 

単行本、240ページ、ナツメ社、2017/10/10

 

オールカラー図解 病院のすべてがわかる!

オールカラー図解 病院のすべてがわかる!