密林の図書室

日々読んでいる本の備忘録を兼ねた書評と内容の概要紹介及び読書感想をまとめたブックレビューのブログです。人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものと考え、このブログを立ち上げました。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

民族・文化

博多あるある

著:岡田 大 著者は福岡県出身ではない。東京出身である。しかし、このような本は、よそ者の視線がないと作れないのだそうだ。博多のあるあるを取材して集めた本。挿絵を交えながら、ちょっとコミカルに、紹介している。例えば、次のようなことが載っている…

高精細画像で甦る 150年前の幕末・明治初期日本 ブルガー&モーザーのガラス原板写真コレクション

編集:東京大学史料編纂所 古写真研究プロジェクト 150年前に来日したブルガーとモーザーというオーストリア人2人が日本で撮影した270点の写真を、現代のデジタル技術を駆使して再現したものである。本書の解説によると、ここで再現されている映像の元は、…

ニッポンおみやげ139景

著:豊嶋操 外国人向けの観光通訳をしている著者が、自ら外国人に日本を案内してきた経験から喜ばれる日本のお土産を選んで紹介した本。 底に富士山が見えるグラス、江戸切子のグラス、箸、扇子、うちわ、着物帯、和紙や千代紙の小物、手ぬぐい、日本酒、こ…

発展途上国の中で見えてくる。主流派の経済システムの矛盾や問題を新自由主義的に解決しているもうひとつの資本主義。『「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済 』

著:小川 さやか 「目標や職業的アイデンティティを持たず、浮遊・漂流する人生はわたしたちには生きにくいものにみえるが、タンザニアの人々はこうした生き方がもたらす特有の豊かさについて語る。それは、職を転々として得た経験(知)と困難な状況を生き…

日本人が、ついうっかりやってしまう。『外国人がムッとするヤバイしぐさ』

著:ジャニカ・サウスウィック、晴山 陽一 特にアメリカ人相手を念頭に、日本人同士だと常識ではあるが、外国人相手ではやらない方がいいしぐさや、言わない方がいいことを書いた本。見開きで左ページは絵なので、分量は少なく、あっさり読める。著者は米国…

結婚して熱帯の奥地に嫁いだ日本人女性のサバイバル日記。「タイの田舎で嫁になる―野性的農村生活 (JVCブックレット)」

著:森本 薫子 イーサンと呼ばれるタイ東北部のムクダハン県の農園に嫁いだ日本人女性が、日本の都会とは大きく異なるタイの田舎での暮らしについて紹介した本。薄くて、気軽に読める。自然の恵みと制約の中で、いわゆるスローライフといえる生活を営む人々…

歴史的埋蔵金研究家が残した埋蔵金探しの詳細な記録。「日本の埋蔵金 」(中公文庫)

著:畠山 清行 「私は、『埋蔵金を掘りたい』という人がくると、まず『およしなさい』ということにしている。なぜなら、一歩踏み込んだらなかなか抜けられず、家も屋敷も財産もぶちこんでしまうからだ。赤城のように、証拠めかしいものでも出ればなおのこと…

懐かしいあの時代。「東京ウォーカー CLASSIC 2000's ウォーカームック」

TokyoWalkerの2000-2009年の記事を抜粋して掲載したムック本。オールカラーで、当時を感じる記事がたくさん載っている。 ポケベルの技と比較 東京ディズニー・シー開園 横浜赤レンガ倉庫 マクロビオテック 六本木ヒルズ誕生 日韓ワールドカップ 大江戸温泉…

問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論 (文春新書)

著:エマニュエル・トッド、訳:堀 茂樹 「個人の自立は、何らかの社会的な、あるいは公的な援助制度なしにはあり得ません。より大きな社会構造があって初めて個人の自立は可能になります。『個人』とより大きな『社会構造』には、相互補完関係があるのです…

懐かしいあの時代。「東京ウォーカー CLASSIC 1990's ウォーカームック」

TokyoWalkerの1990年代の記事を抜粋して掲載したムック本。オールカラーで、当時を感じる記事がたくさん載っている。 スキー、湾岸、クルマ。 ジュリアナ東京。 レインボーブリッジ開通。 ティラミス、ナタデココ、パンナコッタ。 たまごっち。 新東京都庁ビ…

多くのエピソードとともに、フランス人の本質をユーモラスに説く。「新装版 フランス人 この奇妙な人たち 」

著:ポリー・プラット、訳:桜内篤子 読んでいる途中で、何度か吹き出しそうになった。フランスにやって来た外国人が不愉快にさせられた山のような体験談とエピソードに基づき、ユーモラスかつ具体的に書かれている。 元々英語圏向けに書かれた本だが、著者…

日本の伝統色を愉しむ ―季節の彩りを暮らしに―

監修:長澤陽子、イラスト:エヴァーソン朋子 桜色(さくらいろ)、水色(みずいろ)、紅藤色(べにふじいろ)、菖蒲色(あやめいろ)、鶯色(うぐいすいろ)、東雲色(しののめいろ)、茜色(あかねいろ)、朱鷺色(ときいろ)、夏虫色(なつむしいろ)、今…

アメリカ人はどうしてああなのか

著:テリー・イーグルトン、訳:大橋 洋一、吉岡 範武 「合衆国は、独特に内向きの社会であり、国務省を除けば他国に対しての意識があまりにも薄い。…(中略)…おそらく合衆国は必要とされている地理の知識を国民に授ける方法として、他国を侵略しているのだ…

広大な大日本帝国の勢力圏には、個性的で様々な鉄道網が延びていた。「大日本帝国の海外鉄道 」

著:小牟田 哲彦 よくまあ、こんなに詳しく調べたものである。そして、大日本帝国というのは広かったのだな、と改めて思いながら読んだ。台湾、朝鮮半島、関東州、満州、南樺太、さらに南洋諸島。 苦労の末に南北縦貫鉄道が作られた台湾。一貫して貨物収入が…

排泄物と文明: フンコロガシから有機農業、香水の発明、パンデミックまで

著:デイビッド ウォルトナー=テーブズ、訳:片岡 夏実 著者の計算によると、2010年に全世界ですべてのウシ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが排出した畜糞の量は141億3645万トンになるという。これは353億4112万5000立法メートルに相当し、標準的なサッカー場(幅60…

沖ノ島

著:藤原 新也 沖ノ島は島全体がご神体となっており、一般人の入島は制限されている。上陸するためには裸になって海で禊をしなければならない。また、この島は田心姫(たごりひめ)という女神そのものであり、女人禁制となっている。かつて島に入る者は一木…

地図で見るアラブ世界ハンドブック

著:マテュー ギデール 、翻訳:太田 佐絵子 アラブ世界は広く複雑な上に様々な問題を抱えている。本書は、アラブ世界の状況を歴史的な経緯も適時紐解きながら、カラー図解を多く用いて説明したものである。 イスラム教は本質的に政治と不可分であり、政教分…

図説 尻叩きの文化史

著:ジャン・フェクサス、訳:大塚宏子 つくづく、世の中にはいろんな本があるものだと思う。なんと、「尻たたき」の歴史である。しかも、「図説」。全編白黒なのが残念であるものの、様々な尻叩きの絵がたくさん掲載されている。著者はフランスの弁護士。 …

混浴と日本史

著:下川耿史 日本人と混浴の関係について調べた本である。混浴の歴史は長い。日本の入浴の歴史における変化は、混浴からの派生であるといってもよいという。 江戸末期に日本に来た外人に好奇の目で見られたことなどから、幕府やその後の明治政府は混浴を禁…

文庫解説ワンダーランド

著:斎藤 美奈子 「げに評論家とは恐るべきものなり。語るべき要素が少ない作品をどう語るか、という難問への、ひとつの回答がここにある。作品そのものには深入りせず、余った紙幅はできるだけ絢爛豪華な固有名詞で埋める。天ぷらを大きく見せる『はなごろ…

モダンガール論

著:斎藤 美奈子 明治から現代まで、日本女性たちが変わりゆく時代の中でどのように変わってきたかを、女性達の切なる向上の願いや欲望という視点から説明した本。歴史の本といっても堅苦しくはなく、語りかけるような文体で平易に書かれてあり、ぐいぐい引…

部首のはなし―漢字を解剖する

著:阿辻 哲次 なかなか面白いです。一気に読みました。部首という視点から、漢字にまつわるトリビアが次から次と出てきます。 「月」が、舟、肉、月の3つのルーツがあるとは知らなかった。「豆」は台の形から、「臭」が自と犬が組み合わさって、「燃」は犠…

ラスト・マタギ 志田忠儀・96歳の生活と意見

著:志田 忠儀 1916年山形県生まれのマタギが、90歳を過ぎてから周囲に勧められて書き始めた原稿を、整理・編集して一冊にまとめられた本である。 朝日連峰の麓に育って、子供の頃から山に親しむ。初めて熊を撃ったのは15歳の頃。鳴込(呼込ともいう)、通切…

「親米」日本の誕生

著:森 正人 面白そうなタイトルなので読んでみた。戦争に負けてボロボロになった日本。進駐軍に群がる人々、パイパンと呼ばれる売春婦のような負の部分、アメリカ的な考えや憧れ、民主主義の称揚、家電ブーム、自家用車ブーム、「奥様は魔女」。日本の戦後…

最後のイタコ

著:松田 広子 恐山の口寄せで有名な南部イタコについて、厳しい修行の末、それを受け継いだ実際のイタコの1人が説明している本。適時、郷土史家による追加の解説が加えてある。 八戸の豊かな自然と信仰心に支えられて250年の伝統を有してきた南部イタコは、…