密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

エッセイ

ちょっとした暴露ネタもご愛敬。野村監督らしい鋭い視点。「あぁ、監督 ――名将、奇将、珍将」 (角川oneテーマ21)

「著:野村 克也 先日亡くなった、プロ野球の元名選手で、数多くの逸材を育て、再生させた名監督でもある野村克也氏が生前書いた本のうちの一冊。 気軽に簡単に読める。プロ野球の監督という基本テーマからいくつかのサブテーマを決めて、それぞれのテーマに…

自立した国際派女性の先駆け。31年続いた兼高かおる世界の旅。『わたくしが旅から学んだこと 』

著:兼高 かおる 先日、90歳で亡くなった兼高かおるさんのエッセイ。パンナムの提供で長く続いた『兼高かおる世界の旅』というテレビ番組を31年務めた人である。そう苦労することなく、あっさり読める。 おてんばだった子供のころ。アメリカへの留学。体調…

1日仕事をして疲れたサラリーマンが、帰りの電車の赤で頭を使わずに読んでもらえる文章。『時事漫才 爆笑問題の日本原論』

著:爆笑問題 爆笑問題が、時事問題を笑い飛ばすネタにした本。太田と田中が実際にしゃべっているかのように脚本形式で書かれている。もっとも、読んでもらうということを意識しており、ライブと比べると微調整をしてあるとのことだ。 2015年から2018年前半…

巧みな文章で楽しく読ませる。直木賞作家、浅田次郎のユーモア満載のエッセイ。「アイム・ファイン! 」

著:浅田 次郎 「近ごろ鏡を見るたび、ハゲがさまになってきたな、と思う…(中略)…主体がハゲ。パーソナリティがハゲ。アイデンティティーのありかがハゲ。浅田ハゲ次郎…(中略)…感無量である。ハゲみにもなる」。 直木賞作家で、現代日本文学界をリードし続け…

当時のスタッフやキャストが次々亡くなる中、アンヌ隊員役だったひし美ゆり子さんが「私が書いておかなくちゃ」という気持ちとともに書いた本。『アンヌ今昔物語: ウルトラセブンよ永遠に』

著:ひし美 ゆり子 『ウルトラセブン』のアンヌ隊員役だったひし美ゆり子さんのエッセイ。ひし美さんの本は、かつて「セブンセブンセブン―アンヌ再び…」を読んだことがある。内容的にはどちらもウルトラセブンの話が中心であるのだが、さらに十数年以上を経…

太田裕美「木綿のハンカチーフ」、大瀧詠一「君は天然色」、松田聖子「白いパラソル」「風立ちぬ」「赤いスイートピー」他、後に大ヒットメーカーになった松本隆が昭和50年に出版した本の再発売。『微熱少年』

著:松本 隆 「ぼくは北山修氏のように『戦争を知らない…』と無邪気にひらきなおる勇気がない。ドストエフスキーの死刑未遂事件や、戦後のものかき達の戦争体験を、ぼくがどんなにうらやましそうな眼つきでながめることか。ぼくらにはほめたたえる何ものもな…

サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法

著:大槻 ケンヂ 大槻ケンヂがみずからの半生を振り返りながらながら、就職しないでサブカルチャーで食べてゆくヒントについて語っている本。いやあ、笑った。面白い。勉強できない、運動できない、モテない、冴えない。 でも、表現だけはしたい。 大学にも…

赤めだか

著:立川 談春 落語家の立川談春が、立川談志に弟子入りして真打ちになるまでの時代を自ら書いた連載を一冊にまとめた本。これは再発売となる文庫版についてのレビューだが、単行本として出版された2008年には講談社エッセイ賞を受賞したという。 ところどこ…

歴史的な報道カメラマン。ロバート・キャパの残した著書。『ちょっとピンぼけ (Slightly Out of Focus)』

著:ロバート・キャパ、訳:川添 浩史、井上 清一 「106枚写した私の写真の中で救われたのは、たった8枚きりだった。熱気でぼけた写真には、”キャパの手は震えていた”と説明してあった」。 歴史上もっとも有名な戦場写真家であるロバート・キャパが残した第…

とにかく散歩いたしましょう

著:小川 洋子 この人の文章は、上手い。女流小説家が新聞に4年近くかけて連載したエッセイを一冊にまとめたもの。 連載をまとめたものだからだろうが、どれも4ページ程度の読みきりとなっている。少しほろっとさせたり、笑わせたり。最後に見事な落ちがある…

間抜けの構造

著:ビートたけし 「だからこそ、人生というのは”間”だと思った方がいいんじゃないか。我々の人生というのは、生きて死ぬまでの”間”でしかない。生まれたときの”点”と死ぬときの”点”があって、人生はその間のことに過ぎない」。 ビートたけしの本。テーマは…

スポーツ選手、劇作家、指揮者、マジシャン、物理学者、政治家、ビジネスマン、元国連局員。英語にかかわる様々な分野の人たちの体験とエッセイ。『英語とわたし』

編:岩波新書編集部 「英語のお蔭で友人や知人が増えた。世界が広がった。人生がはるかに面白くなった。感謝している」。(小林陽太郎:元富士ゼロックス社長) 古本で、お安く購入。拾い物でした。エッセイとして軽く読めますが、良い本です。 本書には、ス…

もっと変な論文

著:サンキュータツオ 「美しい夕景を見たとき、それを絵に描く人もいれば、文章に書く人もいるし、歌で感動を表現する人がいる。 しかし、そういう人たちの中に、その景色の美しさの理由を知りたくて、色素を解析したり構図の配置を計算したり、空気と気温…

ヘンな論文

著:サンキュータツオ おススメの一冊。大真面目に書かれた変わった研究論文を探して紹介した本である。著者は日本初の「学者芸人」。一般人の常識を見透かしたツッコミを各所に入れながら、面白おかしく、見つけた珍論文の数々を紹介している。 「河原町の…

久米宏です。 ニュースステーションはザ・ベストテンだった

著:久米 宏 この本は、久米宏の番組に親しんだことのある人であるなら、結構、面白く読めると思う。『土曜ワイドラジオTOKYO』『ぴったし カン・カン』『料理天国』『ザ・ベストテン』『おしゃれ』『久米宏のTVスクランブル』そして『ニュースステーション…

放送席からみたサッカー日本代表の進化論

著:山本浩 元NHKスポーツアナウンサーの山本氏が、サッカー日本代表の歩みについて振り返った本。日本のサッカーが本格的にプロ化する前の日本リーグ時代についても多くのページが割かれている。ドーハの悲劇のこと。日本の初めてのワールドカップ出場。ト…

スポーツアナウンサー――実況の真髄

著:山本 浩 「スポーツは、勝利を目指してエネルギーを動きに転嫁する行動の連続だ。実況の基本中の基本は、エネルギーのベクトルの変わる瞬間に、ベクトルの起点にことばでピンを打ち続けるところにある」。(本書より) 本書の著者の山本浩アナウンサーの…

九十歳。何がめでたい

大ベストセラーになった、作家の佐藤愛子さんのエッセイ集のレビューです。

大放言

百田尚樹氏の「大放言」を読んだ個人的な感想についてまとめたレビューです。

完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込

著: 若林 正恭 お笑いコンビ「オードリー」の突っ込み役(元は逆だったらしい)をしている人が雑誌に連載したエッセイを一冊にまとめた本。結果的に、数年がかりで書かれたものになっているので、後半の方では著者自身が自分が過去に書いた文章にツッコミを…