著: 若林 正恭
お笑いコンビ「オードリー」の突っ込み役(元は逆だったらしい)をしている人が雑誌に連載したエッセイを一冊にまとめた本。結果的に、数年がかりで書かれたものになっているので、後半の方では著者自身が自分が過去に書いた文章にツッコミを入れているという展開も生じている。
本書のタイトルが示すように、人見知りとか自意識といったことが中心を占めているものが多い。文章は細かい言葉の使い方や表現をかなり選んだ形跡が感じられる上、各所でオチを入れてある。よって、爆笑というほどではないものの、時々、ふっと笑えてしまうようなものになっている。数はそれほど多くはないものの、印象的なエピソードが入っているし、相方の春日の対照的なところも面白い。
それにしても、本書に出て来るT君は今頃どうしているのだろうか。ここに書かれている通りなら、結構すごい才能だ。このまま表舞台から消えるのはあまりにも惜しいような気がするのだが。
文庫、356ページ、KADOKAWA、2015/12/25
- 作者: 若林正恭
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2015/12/25
- メディア: 文庫