密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

土木・建築・遺構

木に学べ―法隆寺・薬師寺の美

著:西岡 常一 「棟梁いうものは何かいいましたら、『棟梁は、木のクセを見抜いて、それを適材適所に使う』ことやね」 「わたしは法隆寺の修理や解体で、飛鳥の工人たちにたくさんのことを教わりました」 法隆寺の解体大修理や薬師寺の伽藍再建を指揮した宮…

東西名品 昭和モダン建築案内

著:北夙川 不可止、写真:黒沢 永紀 「いま、グローバル化が進むなかで、その弊害といわれる均質化を回避し、文化特性を守ろうとする動きが世界各国で起きているという。たしかにグローバル化と個別の文化はパラドックスのようにも思えるが、建築に限らず、…

日本の醜さについて 都市とエゴイズム

著:井上 章一 ヨーロッパの整然とした街並みと比べ、日本の街並みが雑然としていることを取り上げ、それをもって日本人は和を持って貴しとなすというは正しくなく、無秩序とエゴの国だとしている本。この著者は、かつて「京都ぎらい」という本がヒットして…

これはもう芸術!美しい世界の図書館。「図書館遺産: 壮麗なるクラシックライブラリー23選」

著:ジャック・ボセ、写真;ギヨーム・ド・ロビエ、訳:遠藤 ゆかり タイトル通りの本。オールカラーで大型の写真集である。重厚で豪華な装飾と格調のある建築および設備の図書館がずらり。単純に実用面だけ考えると、このようなぜいたくな建物が図書館であ…

小ぶりですがオールカラー。現代建築のユニークな教会も。「世界の美しい教会」

編:PIE BOOKS 世界の教会を写真で紹介した本です。小さめのサイズですが、オールカラー。印刷は良好で、いろいろな教会の鮮やかな写真が次々目に飛び込んでくる感じです。 湖の中に浮かぶスロベニアの「聖母被昇天教会」とか、ドイツの「聖コロマン教会」が…

オールカラーで写真が美しい。ノイシュバンシュタイン城、マチュピチュ、竹田城も。「世界の天空の城 歴史ロマンあふれる夢想風景」

世界にある小高い丘や山岳部に作られた城の数々を写真を中心に紹介した本。オールカラー印刷で、44の城が載っている。 オスマントルコ侵略に備えて作られた14の堅固な門を持つホッホオスターヴィッツ城(オーストリア)。 小国サンマリノの独立を守り抜いた…

身近で奥深いコンクリート。あなたはどのくらい知っていますか?「最新図解 基礎からわかるコンクリート 」

著:水村俊幸、速水洋志、吉田勇人、長谷川均 セメントは主にクリンカという焼成物からできている。クリンカの主成分は、石灰石・粘土・ケイ石・鉄であり、これを細かく砕いてかき混ぜ、キルンと呼ばれる円筒形の窯に入れて1,450度以上の高温で焼成する。ク…

東京駅100周年東京駅100見聞録

著:佐々木 直樹 東京駅に魅せられ、東京駅フォトグラファーを自認する著者が、東京駅についての100のポイントを語った本。111ページしかないが、写真が多く掲載されており、オールカラー。建物としてスポットが当たっているのは歴史的建造物である丸の内側…

廃道をゆく4 (イカロス・ムック)

「廃道をゆく」の第4弾です。このパート4では、最初から使われなくなることが約束されて作られた発電所工事用の道路とか、下北半島の険しい海岸の廃道とか、記録もあいまいな道とか、奥地と僻地の廃道の紹介がさらに充実。マニアック度がさらにアップしてま…

廃道をゆく3 (イカロス・ムック)

「廃道をゆく」のPart3。シリーズ初の沖縄含む、48本。崩落や噴火や豪雨など自然現象と関係するものが多いことが特徴。 国土の約7割が山で、しかも海に囲まれた日本。その近代化の歩みが険しい自然との闘いの歴史でもあったことを、これらの廃道は静かに…

廃道をゆく2 (イカロス・ムック)

44本の廃道を紹介している「廃道をゆく」の続編である。ここでは、さらに51本の廃道が登場する。最初から最後まで、全国津々浦々に静かに眠る、かつての道路や施設の写真の数々に圧倒される。・森林の中に消えてしまった、手堀りのトンネル・道路と呼ぶ…

廃道をゆく (イカロス・ムック)

廃道の本。しかも鎌倉街道とかじゃなくて、近代の普通の道。ネット上にもいろいろある。ダムの水面から飛び出している錆びたガードレール、壊れて谷底に落ちかけている橋、落ち葉で埋まっている山間のトンネル、荒波をかぶって崩壊しているかつての基幹道路…

薄い本なのにオタク度満点。ダムに眠る廃道&廃線、ダムカレー、堤高、総貯水容量、湛水面積、堤頂長、堤体積別にそれぞれのトップ10。『ダム大百科』

監修:萩原 雅紀 ダムの本。ムック本サイズ。114ページ中81ページまでがカラー印刷。写真が豊富にある。薄い本なのであっさり読めるだろうと思っていたが、ページをめくる度に徐々にオタク度が増してきて、予想より中身が濃い本だった。 まずは、日本のダム…

世界で一番美しい駅舎

世界の駅の写真を集めたものです。目を見張るような、荘厳な駅、美しい駅、近未来的な駅、伝統的建造物の駅、個性的な駅が次々と登場します。・国王レオポルド2世が10年かけて作らせた国の重要記念物になっている大聖堂のようなアントワープ中央駅(ベルギー…

京都の洋館

著:石川祐一、写真:神崎順一 長い歴史を持つ京都。日本を代表する古都だが、ここにあるのは伝統を感じさせる神社仏閣だけではない。実は素敵な洋館がいくつもある。そんな京都の洋館を豊富な写真を中心に紹介した本。オールカラー。 公共施設、文化施設、…

図解・橋の科学―なぜその形なのか?どう架けるのか?

著:田中 輝彦、著:渡邊 英一、編集:土木学会関西支部 様々な橋と、それを支える技術について平易に解説している。特に、科学的な視点から橋を理解する上で欠かせない、構造力学と材料力学の基本を、とてもやさしく説明することに成功している。よって、特…

新・可笑しな家

著:黒崎 敏 世界の変わった住まいを50件選び、写真中心に紹介した本。カラー印刷。びっくりするような家がいくつかある。著者は一級建築士。 船をひっくり返して作った家。大きな靴の形をしたインドの「フルーツハウス」。ベトナムの「妖しの館」はガウディ…

海上の巨大クレーン これが起重機船だ

海で大きな仕事をしている起重機船とそこで働く人たちについて写真中心に解説した本のレビューです。

図説 日本と世界の土木遺産

著:五十畑弘 日本の土木建築を中心に、イギリスのアイアンブリッジをはじめとする適時世界の土木遺産も紹介した本。オールカラーで、442ページ。かなりボリュームがある。解像度が粗いものが散見されるのが残念だが、写真も500枚以上あって、大変多い。以下…

ヴェルサイユ宮殿

ヴェルサイユ宮殿の専属カメラマンたちが撮影した絶品の写真集のレビューです。