密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

消えゆく太平洋戦争の戦跡

編集:「消えゆく太平洋戦争の戦跡」編集委員会 ハワイ 、ガダルカナル、ニューギニア、ラバウル、サイパン、グアム 、アッツ・キスカ、 インドネシア 、インパール、 タイ、フィリピン、マレーシア、シンガポール、硫黄島 沖縄。太平洋戦争に関する地域の元…

高精細画像で甦る 150年前の幕末・明治初期日本 ブルガー&モーザーのガラス原板写真コレクション

編集:東京大学史料編纂所 古写真研究プロジェクト 150年前に来日したブルガーとモーザーというオーストリア人2人が日本で撮影した270点の写真を、現代のデジタル技術を駆使して再現したものである。本書の解説によると、ここで再現されている映像の元は、…

異邦人(2018年新潮文庫の100冊)

著:カミュ、訳:窪田 啓作 有名なカミュの処女作である。「きょう、ママンが死んだ。もしかすると、昨日かも知れないが、私にはわからない」という有名な書き出しで始まる。そして、殺人を犯してしまった主人公は、動機を「太陽のせい」と答え、処刑を待つ…

ニッポンおみやげ139景

著:豊嶋操 外国人向けの観光通訳をしている著者が、自ら外国人に日本を案内してきた経験から喜ばれる日本のお土産を選んで紹介した本。 底に富士山が見えるグラス、江戸切子のグラス、箸、扇子、うちわ、着物帯、和紙や千代紙の小物、手ぬぐい、日本酒、こ…

もっと知りたい狩野永徳と京狩野

著:成澤 勝嗣 狩野派は京都で始まったが、探幽(1602-1674)をはじめとする中枢は徳川幕府直属の家臣に取り立てられて江戸へ行き、探幽の瀟洒な作風を母体とする江戸狩野が誕生する。そして江戸狩野の一部は京都にも住んで御所の仕事を引き受ける。こちらが有…

副業で個人事業主になれれば特別控除65万円の節税などが可能。『オールカラー 個人事業の経理と節税のしかた』

監修:益田あゆみ 個人事業主という制度がある。以下の国税庁のホームページから「開業届」をダウンロードして記入し、近くの税務署に持っていって、継続的に収入があるといった条件を満たすことで事業を営んでいると認められれば、「個人事業主」として認め…

きみはポラリス (2018年新潮文庫の100冊)

著:三浦 しをん 人気作家三浦しをんが書いた11編の短編が収められている。どれも恋愛がテーマになっているということで読んでみたが、この恋愛というのが型どおりではない。多彩で、変化に富んでおり、人物設定も、ストーリーも、作品ごとに大きく異なって…

全国屈指の東大合格者数を誇る超進学校開成高校野球部の戦略。『弱くても勝てます。』(2018年新潮文庫の100冊)

著:高橋 秀実 「一般的な野球のセオリーは、拮抗する高いレベルのチーム同士が対戦する際に通用するものなんです。同じことをしていたらウチは絶対に勝てない。普通にやったら勝てるわけがないんです」(開成高校野球部青木秀憲監督)。 全国屈指の東大合格…

吉本ばななの名作。『キッチン』(2018年新潮文庫の100冊)

著:吉本ばなな 「彼女たちは幸せを生きている。どんなに学んでも、その幸せの域を出ないように教育されている。たぶん、あたたかな両親に。そして、本当に楽しいことを知りはしない。どちらがいいのかなんて、人は選べない」。 吉本ばななの出世作。一世を…

引っ越しを続ける親子。『神様のボート』(2018年新潮文庫の100冊)

著:江國 香織 別れた「あのひと」と再会する日を願って、引越しを繰り返すピアノ教師の女性とその娘の物語。高崎。今市。川越。高萩、佐倉、そして逗子。しかし、東京には行ってはいけない。頻繁に切り替わる母と娘の一人称によって進む。これによってナレ…

ネガティブ・パワー炸裂。『絶望名人カフカの人生論』(2018年新潮文庫の100冊)

著:フランツ カフカ、訳:頭木 弘樹 カフカが残した言葉を集めて、解説をつけて編集した本。自己啓発本が根強く流行る世の中で、なんともネガティブだらけの後ろ向きなメッセージの数々が新鮮に響いてくる。 「将来に向かって歩くことは、ぼくにはできませ…

昭和初期を中心に。日本は実はこういう国だった。『教科書には載っていない! 戦前の日本』

著:武田 知弘 紡績はもちろん、自転車におもちゃに鉄と、貿易大国だった戦前の日本。アジアの革命家の拠点でもあった。世界の最先端分野がいくつもあった科学力。 全身に入れ墨を入れていた小泉又次郎代議士(小泉純一郎の祖父)。合法的な売春地帯であった…

現代の日本の組織にも通じる太平洋戦争敗戦の教訓。『失敗の本質―日本軍の組織論的研究 』

著:戸部 良一、寺本 義也、鎌田 伸一、杉之尾 孝生、村井 友秀、野中 郁次郎 有名な本である。1991年出版でありながら、いまだに根強く売れているロングセラーでもある。 ノモンハン事件(1939)、ミッドウェー作戦(1942)、ガダルカナル作戦(1942-1943)、イン…

未来を読む AIと格差は世界を滅ぼすか

著:ジャレド・ダイアモンド、ユヴァル・ノア・ハラリ、リンダ・グラットン、ダニエル・コーエン、ニック・ボストロム、ウィリアム・J・ペリー、ネル・アーヴィン・ペインター、ジョーン・C・ウィリアムズ、インタビュー:大野 和基 世界的な知の巨人8人にイ…

アメリカの対中国貿易赤字や教育システムが利用されているといった非軍事についても論じられている。『米中もし戦わば 』

著:ピーター ナヴァロ、訳:赤根 洋子 「将来どんなことが起こりえるかをすべて想定できる人間には、その中から最善のものを選び、最悪のものを避ける、最上のチャンスが与えられている」。 2015年11月に米国で発売された“Crouching Tiger”の日本語訳版であ…