密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

もっと知りたい歌川広重―生涯と作品

著:内藤 正人 歌川広重(1797-1859)の代表作と特徴をその生涯とともに解説した本。80ページしかないが、オールカラーで印刷良好。ムック本サイズ。 三十俵二人扶持という微禄ながら幕府の御家人の長男として生まれる。数え13歳で両親を相次いで失って安藤…

コクヨのシンプルノート術

コクヨ株式会社 効果的なノートのまとめ方や利用方法について書かれた本です。見開きで、右ページに説明、左ページに実際のノートの例が載っています。 全部で100個のまとめ方のアイディアが載っています。電子ファイルに取り込む前提で書く、ふせんを効果的…

米国立公文書館に保存されていた米軍撮影の写真の数々が圧倒的。『写真が語る「特攻」伝説―航空特攻、水中特攻、大和特攻』

著:原 勝洋 特攻隊について資料を中心に紹介した本。日本側の写真や情報もあるが、なんといっても米軍側で撮影された、たくさんの写真が圧倒的で目を引く。全体のうち280ページまでが写真中心の構成となっている。 さらに、各特攻隊の編成と戦果、米軍の分…

やさしい配色の教科書[改訂版]

著:柘植 ヒロポン 配色の本。2018年の改訂版である。色の世界は、三属性と呼ぶ以下の3つの要素の組み合わせで成り立っているという。 ・色味の違い(色相) ・色の明るさ(明度) ・色の鮮やかさ(彩度) 色相は基準となる色(キーカラー)を中心に、類似色…

室町幕府って、本当にダメダメだったんだな。『図説 室町幕府』

著:丸山裕之 応仁の乱を扱った本が異例の大ヒットを記録してから、室町時代をテーマにした本が地味ながら何冊も出ている。この本もその一冊といえる。 室町幕府は守護たちに支えられた連合政権といわれるが、実際はもう少し複雑である。行政・軍事体制は発…

クレイトン・クリステンセンの歴史的名著。「イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき」

著:クレイトン・クリステンセン、監修:玉田 俊平太、訳:伊豆原 弓 あまりに有名な本である。本書の特徴は、イノベーションを、「継続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」の2種類に分類して解説を試みている点である。 前者は、従来の製品の性…

神社崩壊 (新潮新書)

著:島田裕巳 2017年12月に東京八幡宮で元宮司が現職の宮司を殺害した事件が発生した東京八幡宮は様々なところから寄付等が入っており大変豊かな神社だった。しかし、世の中の神社の多くは2016年に神社本庁総合研究所が公表した資料によると、アンケートで明…

特攻の記録―「十死零生」非情の作戦 (光人社NF文庫)

編集:「丸」編集部 「彼らは、だれ一人として、泣かなかった。泣いたのは見送る私たちだった」。 特攻の記録である。 犬死とか、成功率が低かったとか、 特攻隊をしたり顔で非難する人たちは終戦当時からいる。 しかし、そんな人達は、一番重要なことがわか…

西の魔女が死んだ (新潮文庫)(2018年新潮文庫の100冊)

著:梨木 香歩 この本はタイトルがうまい。 「わたしのおばあさんが死んだ」だったら、たいして売れなかっただろう。 全体としては、小学生の女の子の心の成長をする過程描いた作品。 本物の魔女が出てくるわけではなく、おばあちゃんが、重要なポイントにな…

「超常現象」を本気で科学する (新潮新書)

著:石川 幹人 著者は幽霊の研究をしているが、幽霊は信じていないという。「宗教が『信じる』ことから出発するとすれば、科学は『信じずに距離を置く』ことから出発するという原則」があるからだという。このように、頭ごなしにうさんくさい研究にみられが…

「太平洋戦争」アメリカに嵌められた日本

著:マックス・フォン・シュラー 「私はアメリカ生まれだが、基本的にアメリカ人は他国に興味がなく、自分たちのことだけを考えている人が多い」。 「(アメリカは)別に悪の国ではないが、何よりも国益第一の国なのだ」。 日本に長く住む元海兵隊員のアメリ…

物流が一番わかる (しくみ図解)

著:齋藤 正宏 モノがからむ限り、物流はどこにでもある。物流の役割は、「適切なモノ(数量を含む)を、適切な場所に、適切な時間に、適切な条件(品質)で、適切なコストで顧客に届けること」にあるという。そのためには、購買、製造、物流、マーケティン…

英語「なるほど!」ライティング―通じる英文への15ステップ 単行本(ソフトカバー)

著:遠田 和子、岩渕 デボラ わかりやすい言葉で書かれており、的確に作られている各章の問題もひと通り解きながら、一気に読んだ。 「ここから市役所まで車で5分です」という、一見して中学1年生でも英語にできそうな表現を、5つのちがう主語で簡潔に表現…

決定版 太平洋戦争⑧「一億総特攻」~「本土決戦」への道 (歴史群像シリーズ)

著:片岡 徹也、瀬戸 利春、山崎 雅弘 「決定版太平洋戦争」の第8巻。このシリーズは掲載資料が豊富で、数ある太平洋戦争関連の著作の中でも特筆すべき内容を誇る。本書では、レイテでの完敗を受けて、・本土決戦の準備・硫黄島の戦い・沖縄戦・特攻の4つの…

本土決戦―陸海軍、徹底抗戦への準備と“日本敗戦”の真実 (歴史群像 太平洋戦史シリーズ Vol. 60)

「歴史群像」の記事から集めて編纂してある。本書は兵器や戦略や人だけでなく、むしろ、国内・国外のいろいろな政治的な背景や駆け引き、当時の日本の生産力や補給の状況、原爆投下を含む米軍の爆撃戦略の詳細などが複数の研究家の手によって細かく淡々と載…