著:高橋 明也、島本 英明
フランスの画家ピエール・ボナール(Pierre Bonnard,1867-1947)の作品をその生涯とともに紹介した本である。
ボナールは、ポスト印象派とモダンアートの間に位置するナビ派と呼ばれるグループの中心的な芸術家であり、日本美術が大好きで、「ナビ・ジャポナール」日本かぶれのナビ)と呼ばれていた。
印象派ほど有名ではなく、モダンアートほど前衛的ではないことから、ボナールをはじめとするナビ派の人気と知名度はいまひとつであったが、近年は再評価と見直しが進んでいるという。
ボナールの人生は、時代的には2つの世界大戦に重なる。しかし、作品にはそんな暗さは見られない。大胆なポーズの裸婦像。猫や子供。明るくまばゆく色鮮やかな庭や自然。神話的世界。版画やポスターにも力を注いだ。本書には、彼の多彩な作品が紹介されている。
ナビ派の画家たち。「美しく描かねばならない」という言葉がボナールにとってひとつの規範になったルノワール。自宅から5㎞しか離れていないところにアトリエがあったモネ。盟友となったマティス。歴史上の多くの芸術家がそうであるように、ボナールもまた、他の芸術家たちとの交流によって切磋琢磨していたことも、解説されている。
薄いが、オールカラー。印刷も良好で、解説もわかりやすくコンパクトにまとまっている。海外だけでなく日本にもボナール作品を所蔵する美術館はいくつもあり、巻末にはその一覧がある。
単行本、79ページ、東京美術、2018/8/1
もっと知りたいボナール 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション) [ 高橋明也 ]
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