密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

基礎からわかるISO9001:2015

監修:平川雄典

 

 ISO9001は品質管理のプロセスのルールを定めるものである。1987年に初版が登場して以降、適時改訂されてきた。最新は2015年版で、既にISO9001を取得している企業・団体・組織は2018年6月末までに移行審査を受け、2018年9月14日までに2015年版への移行を完了する必要がある。本書は、ISO9001について、この2015年版の内容も踏まえて簡単に説明したものである。

 

ISO9001の2015年版では、以下の点が今までと異なっているという。

  • 成果の達成を目的に追加
  • 組織の状況の理解を要求
  • リスクと機会への対応を追加
  • 2012年に他の規格との共通規格部分が発行され、それに品質管理部分を加える形をとることで他のISOとの共通化がやりやすくなった
  • 「製品及びサービス」という表現になり、サービス業でも使いやすくなった
  • 作成を要求している文章が8つから3つに減った

 

 近年のこの手の本によくあるように、テーマごとに見開きで、右ページが解説で左ページが文章という構成。ISOとはどういう組織か、ISO9000シリーズを担うTC176の組織構成、ISO9001の導入ステップ、推進計画の立案、運用のポイント、審査の流れ、運用のポイント、ISO9001の規格の内容、パフォーマンス評価、継続的改善、求められる文書について、といったことが説明されている。

 

 初心者向けにやさしく書かれている。ただ、具体的な文書例は少ない。「ISO9001って何?」という人が一冊目として手に取るには悪くない内容であるように思われる。

 

目次

第1章 ISO9001とは? 取得する意味

第2章 ISO9000ファミリーと品質マネジメントシステム

第3章 ISO9001取得の手順

第4章 ISO900:2015の規格内容

第5章 文書と品質マニュアルの作成・運用

第6章 ISO9001をうまく運用するために

巻末付録 ISO9001成功企業ケーススタディ

 

単行本、288ページ、ナツメ社、2017/12/11

 

基礎からわかるISO9001:2015

基礎からわかるISO9001:2015