密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

知の巨人 ドラッカー自伝

著:ピーター F ドラッカー、著:牧野 洋 日本経済新聞の「私の履歴書」で連載された内容を元に、そこに記載できなかったことや追加で取材したことを加えて一冊にまとめた本。 ウィーンに生れ、フロイトなど父の知り合いである多くの著名人に会う。ドイツで…

日本人が行けない「日本領土」 北方領土・竹島・尖閣諸島・南鳥島・沖ノ鳥島上陸記

著:山本 皓一 北方領土・竹島・尖閣諸島・南鳥島・沖ノ鳥島について取材を行った記録を一冊にまとめてある。 予想したほど多くはないが著者が撮影した写真もあるし、それぞれの現状や歴史の説明、安倍晋三や鈴木宗男などとの対談記録も載っている。 例えば…

ラム酒の歴史

著:リチャード・フォス、訳:内田 智穂子 ラム酒は蒸留酒であり、原料はサトウキビである。生のサトウキビを絞ったジュースから作るものと、サトウキビを煮詰めて砂糖を分離したあとの糖蜜から作るものの2種類がある。ただ、生サトウキビのジュースは生産…

地獄とは?人は死んだらどうなるか?「絵本 地獄――千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵」

著:白仁 成昭、著:中村 真男、監修:宮 次男 一時話題になった絵本です。 怖いもの見たさで読んでみました。千葉県安房郡三芳村延命寺に所蔵されている絵を一冊の本にしたものです。 それらは、昔の人が、地獄とはこういうところだ! と知らしめるために描…

その日は必ずやってくる。「南海トラフ地震 」

著:山岡 耕春 南海トラフでは過去に何度も巨大地震が繰り返されてきた。マグニチュード8~9クラス。今後30年以内の発生確率は約70%。それが、日本の人口と経済と産業がもっとも集中する地域を襲う。 揺れの被害大きいが、それだけではない。木造住宅の密集…

カラー版 9割の腰痛は自分で治せる (中経の文庫)

著:坂戸 孝志 腰痛は筋肉の緊張によって引き起こされているので、対策としてはその筋肉を日々柔らかくすればよいと主張し、同時に腰痛緩和につながる効果的なエクササイズ法について写真つきで詳しく解説している本。腸骨のずれを調整する方法というのもあ…

(NCD: Non-communicable disease)を知っていますか?「健康長寿のための医学」

著:井村 裕夫 医学の進歩や衛生環境の改善によって、先進国では感染症は減っている。平均寿命も延びた。感染症に代わって大きな脅威になっているのは、ガンや糖尿病や心疾患やアルツハイマー病のような非感染症疾患(NCD: Non-communicable disease)である。…

日本の金型技術は世界一。一見地味だが、実は自動車や素材の競争力を支える重要な産業。「図解入門よくわかる 最新金型の基本と仕組み[第2版]」

著:森重功一 日本は金型生産では世界第1位。技術水準もきわめて高い。金型は構造が複雑で高い精度が求められ、製作が難しい。このため、金型生産は日本の工作機械や製造系ソフトウェアの進歩を牽引してきたともいえるという。そのような金型産業は、平成26…

イモは実はすごい資源!「イモが日本を救う!~1000年先の未来のための、新しいエネルギービジネス~」

著:鈴木 高広 日本で1年間に使われているエネルギーは約2000万テラジュールという膨大な量にのぼる。今や原発への依存を見直さざるをえない状況となり、化石燃料の輸入に莫大な巨費が投じられている。 必要なエネルギーはあまりに大きいため、残念ながら一…

睡眠時間6時間未満の寝不足は要注意!アルツハイマー病や、がんになりやすい!NHKスペシャル取材班「睡眠負債 『ちょっと寝不足』が命を縮める」

著:NHKスペシャル取材班 「睡眠負債」という言葉は、2017年の新語・流行語大賞のトップ10に入ったという。英語の”Sleeping Debt”を訳してTV番組として紹介したNHKスペシャルの取材班が、番組では紹介しきれなかったことも盛り込んで世に出した本である。 脳…

CDでわかる ベートーヴェン鍵盤の宇宙

著:仲道 郁代 「当時のピアノの復元楽器を使って、楽譜の指示通りにこの楽章を弾いてみると、和音の濁りが微妙に変化し、不思議な音響効果が生まれました。ベートーヴェンのペダルに関する奇妙な指示を難聴のせいにする人もいますが、逆に耳が聞こえにくい…

ようこそ熱海市へ。有数のリゾート熱海復活の背景。「熱海の奇跡」

著:市来 広一郎 1960年代には年間宿泊者数530万人を誇り日本一の温泉街だった熱海は、その後大きく低迷する。2011年の年間宿泊者数はピークの半分以下の246万人にまで落ち込む。しかし、その後若者を中心に熱海が人気となり、2015年には年間宿泊者数が308万…

ボナール展の予習復習用にも最適。ピエール・ボナールの魅力と生涯。「もっと知りたいボナール 生涯と作品 」

著:高橋 明也、島本 英明 フランスの画家ピエール・ボナール(Pierre Bonnard,1867-1947)の作品をその生涯とともに紹介した本である。 ボナールは、ポスト印象派とモダンアートの間に位置するナビ派と呼ばれるグループの中心的な芸術家であり、日本美術が…

これはもう芸術!美しい世界の図書館。「図書館遺産: 壮麗なるクラシックライブラリー23選」

著:ジャック・ボセ、写真;ギヨーム・ド・ロビエ、訳:遠藤 ゆかり タイトル通りの本。オールカラーで大型の写真集である。重厚で豪華な装飾と格調のある建築および設備の図書館がずらり。単純に実用面だけ考えると、このようなぜいたくな建物が図書館であ…

巧みな文章で楽しく読ませる。直木賞作家、浅田次郎のユーモア満載のエッセイ。「アイム・ファイン! 」

著:浅田 次郎 「近ごろ鏡を見るたび、ハゲがさまになってきたな、と思う…(中略)…主体がハゲ。パーソナリティがハゲ。アイデンティティーのありかがハゲ。浅田ハゲ次郎…(中略)…感無量である。ハゲみにもなる」。 直木賞作家で、現代日本文学界をリードし続け…