密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの 株トレ 世界一楽しい「一問一答」株の教科書

著:窪田真之

 

株式で儲けようとしたら、対象企業の財務や決算及び株式指標(ファンダメンタルズ)の分析と共に、株式チャートの知識(テクニカル)は必須です。ファンダメンタルズとテクニカルのどちらを重視するかは人それぞれで、短期・中長期でも変わってきますが、不要ということはありません。

 

この本は、テクニカル分析の中心となる株式チャートの読み方について、「この局面は売りか?買いか?」というクイズ形式でわかりやすく解説したものです。著者は、楽天証券経済研究所 所長兼チーフ・ストラテジスト。

第1章 売買高の変化を読む

株式チャートの基本的なトレンドの見方についての解説です。価格の変化だけでなく売買高の変化を読むことの重要性についても説かれています。重要な転換点につながることが多い三角持ち合いなどについても書かれています。

第2章 移動平均線を読む

価格そのものだけではなく、価格の期間平均をチャートにした移動平均の見方を解説しています。1移動平均線からのかい離率やゴールデンクロスとデッドクロスについても説明されています。

第3章 ローソク足を読む

始高安終値をひとまとめにわかりやすくしたローソク足の読み方についてです。長い下ヒゲ、長い上ヒゲ、十字足、大陰線、大陽線といった各種ローソク足の見方がわかります。

第4章 チャートの節を読む

株価チャーからは価格の下落を止める支持線や、上昇を止めかねない水準が見えることがあります。ここでは上値抵抗線と下値抵抗線、そこから見えてくる日柄整理の考え方について書かれています。指値注文と成行注文の上手な使い方のコラムもあります。

第5章 ボリンジャーバンドを読む

ボリージャンボの読み方です。ボリージャンボとは移動平均と標準偏差から作られるレンジのことです。著者はトレーダー時代にこのボリージャンボを得意としていたそうです。買いと売りのシグナルの読み方をチャートの例から解説します。

第6章 トレンドかボックスかを見分ける

相場には、トレンド相場とボックス相場があります。トレンド相場の方が動きが大きいので値動きで儲けるならトレンド相場が値幅が取れます。ここでは、チャートからその見分け方と売買のタイミングの見分け方について述べています。

 

著者によると、チャートによる分析で勝てる勝率は、7割くらいだとのことです。絶対ということはないのです。相場は確率と期待値の勝負です。いかに負けによる損失を小さくし、勝ちによる取り分を大きくするかがポイントです。そのためには、中長期投資であってもチャートは読めた方が良いし、短期で鞘とりをしたいのであればなおさらです。本書はチャートの読み方の基本的な知識がやさしく書かれているという点でおススメです。

 

ダイヤモンド社、2021/12/15、184ページ