著:金丸 隆志
Raspberry Piをキットとネットの情報を頼りにいじっていた。ただ、Raspberry Piの方は元々Linuxの知識があるのであまり困らなかったのだが、電子回路とその制御に関してはどうも知識が十分でなく、やはり一冊買って読んでおく方がよいかな、と思い直してKindle版を買った。
結論から言えば、悪くない本だった。一切コンピュータを触ったことがないという人はさすがに苦しいだろうが、それほどコンピュータは詳しいわけではない、電子回路も詳しいわけではない、という人に向けて書かれてあって、ひとつひとつの解説が丁寧である。以下のような目次になっている。
1章 Raspberry Piとは何か
2章 Raspberry Pi用のOS のインストール
3章 電子工作の予備知識およびRaspberry PiによるLEDの点灯
4章 プログラミングによるLEDの点滅
5章 タクトスイッチによる入力
6章 AD 変換によるアナログ値の利用
7章 I2Cデバイスの利用
8章 PWMの利用
9章 WebIOPiを用いたPCやスマートフォンとの連携
10章 WebIOPiを用いたキャタピラ式模型の操作
付録A ネットワークへの接続
付録B プログラムが記述されたサンプルファイルの利用方法
付録C IDLE を用いない開発方法
付録D 日本語ソフトのインストール
付録E IP アドレスを用いずにRaspberry Piにアクセスする
付録F 抵抗のカラーコード
付録G 入手しやすいI2C接続のセンサ用サンプルファイル
付録H raspi-configを用いたRaspberry Piの設定
徹底して具体的に、読者がつまずきそうなところほどページをかけてしっかり説明してある。なので、その分、「これはもう知っている」というところは、飛ばすページが一気に増える。個人的には前半は全く読む必要がなかった。ただ、後半のAD変換以降は役立った。
付録も充実している。AからHまである。画面、プログラム、配線図も多く掲載されている。また、参考文献となるサイトの情報もきちんとまとめられている。
新書、320ページ、講談社、2016/7/20
カラー図解 最新 Raspberry Piで学ぶ電子工作 作って動かしてしくみがわかる (ブルーバックス)
- 作者: 金丸隆志
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/07/20
- メディア: 新書