密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門

著:みやた ひろし

 

 コンピューター環境の基盤を支えるネットワーク技術について解説した本。ネットワーク本はたくさんでているが、本書の特徴は、著者の現場での経験に基づいた書き方になっている点である。後々トラブルの種になりそうなところや、障害時の切り分けがやりやすいようにあらかじめ心がけておいた方がよい点に留意して書かれてある。たぶん、現場でいろいろつらい目にあったのだろうと思われる。また、理解のポイントをすぱっと言い切っているところもあって、厳密な意味での正確性はともかく実用視点ではこう考えておけば問題ない、というところがわかりやすい。

 ネットワークはLANの話が中心である。ロードバランサーファイアウォール、スパニングツリープロトコル、仮想スイッチの話もある。高可用設計の説明の障害ポイントごとの解説は素晴らしい。また、全体的に図解がわかりやすい。教科書的な本ではなく、より広くインフラ担当向けの実践読本という感じである。また、クラウドではなくオンプレ環境用である。

 

目次

第0章 本書の読み方
第1章 物理設計
第2章 論理設計
第3章 セキュリティ設計・負荷分散設計
第4章 高可用性設計
第5章 管理設計

 

単行本、416ページ、SBクリエイティブ、2013/12/26