編:日経クロストレンド
今や、人工知能大ブーム時代である。IoTも、産業界ではかなり浸透した感がある。本書は、日本経済新聞系列の雑誌から、AIとIoTについてのトレンドを扱った記事を集めた本である。
薄いが、ムック本サイズでオールカラー。技術的に深いことは書かれておらず、一般のビジネスマン向けの内容である。たいした基礎知識はいらない。
最初は、3人の著名人のインタビューが載っているが、有名なレイ・カーツワイルのインタビューは、分量があまりに少なく、がっかりした。
キーワード解説は、それぞれ参考となる本のおすすめと宣伝を兼ねている感じである。IoT, MaaS, マルチクラウド, VR, 自動運転, FinTech,リテールテックといったものが取り上げられている。
ケーススタディでは、スシロー、小田急、アリババ、いろいろなビッグデータ事例、AI人材育成について、というようなことが載っている。
最後の方では、顧客との関係を変えるデジタル戦略という論説がある。今後、様々な資源を仮想化の対象とした市場が次々と生まれる、というのは印象に残った。UberやAirbnbなどはそういういうタイプのビジネスだといえる。
これだけで何かを勉強する用途としては不向きである。あくまでもトレンドをざっと確認する用として割り切れば、全体としては、まあまあ、という内容である。
ムック、132ページ、日経BP社、2018/6/14