著:須藤順、原亮
アイディアソン(Ideason)は、人々が集まって集中的に課題に対するアイディアを考えるイベントである。新事業創出、スタートアップの事業創出、地方再生や地域活性化のアイディア出し、オープンデータ活用といった目的で開かれる。
本書は、アイディアソンとはどのようなものか、運営や成功のポイントはどのようなところにあるのか、実際の開催例の紹介といったことから、アイディアソンについて解説した本である。
アイディアソンのポイントとしては、以下のようなものがあげられている。
1.正確な情報提供
2.ゴールの位置づけ
3.参加者の多様性と仲間意識
4.小さなゴール設定と発想転換
5.アイディア創出手法と組み合わせ
6.フォローアップ
著者によると、アイディアの深さは、以下の式で表すことができるらしい。
テーマ設定 x インプット x 参加者の質 x メソッドの構成
気を付けるポイントもいろいろ書かれているが、なんといっても、後半の事例集がとてもよい。事例は16件載っている、それぞれの事例ごとに、メニュー、時間配分、テーマ、参加者、成果が具体的に書かれていて、実施日時まで書かれている。ひとことでアイディアソンといっても、それぞれで違う。
第4部では、実際に使うメソッドの説明が行われている。「マイプロme」「かけ算ストーミング」「マンダラシート」「ペルソナシート」「カスタマージャーニーマップ」など15の手法が紹介されている。
事例や手法が具体的なので、特に後半部分はとても勉強になった。
単行本、250ページ、徳間書店、2016/9/13