著:中島 能和
Ubuntuは近年デスクトップ向けだけでなく、サーバー向けとしてもよく使われるようになった。この本は、メジャーな版である「16.04LTS」と2018年4月にリリースされた「18.04LTS」をベースに、サーバーとして使う場合のUbuntuの基本機能及び設定方法について書かれたものである。
全体の構成としては以下のようになっており、これを見ればわかるように、OSのインストールから、ユーザ設定、ファイルシステム、ネットワーク、ログやセキュリティ設定、ApacheやOpenLDAPのような基本的なソフトウェアの設定の説明が淡々と続く内容になっている。全体的には、一般的なサーバーOS関連の本の定番を踏襲したような感じであり、基本に忠実な手堅い作りといえる。
第1章 Ubuntuの概要とインストール
第2章 ユーザーの基本操作
第3章 ファイル管理
第4章 ファイルシステムの管理
第5章 ネットワークの設定と管理
第6章 システムの設定と管理(1)
第7章 システムの設定と管理(2)
第8章 パッケージ管理
第9章 ログの管理
第10章 セキュリティ
第11章 Webサーバー(Apache、Nginx)
第12章 メールサーバー(Postfix)
第13章 DNSサーバー(BIND)
第14章 Sambaサーバー
第15章 SSHサーバー
第16章 OpenLDAPサーバー
第17章 プロキシサーバー(Squid)
第18章 データベースサーバー(MariaDB、MySQL、PostgreSQL)
第19章 仮想化(Docker、LXC/LXD)
第20章 付録
分厚い本だが、どの章も、それぞれが何をするもので、どう設定して、どういうオプションがあるのか、というような内容であって、分量があるのは、それぞれコマンドやconfファイルの実例及びパラメータの意味の説明が多く掲載されているためである。なので、文章量そのものは分量に比してそれほど多いわけではない。また、初期設定から行うことを想定しているので、基本的な内容が中心である。
すべて単色刷りだがコマンドや設定ファイルの内容中心であるし、濃淡がうまく使い分けられていることもあり、見やすい。機能やオプション類は適時表になっているし、基本説明部分は図解も時々挿入されている。
Ubuntuのサーバーの構築や設定をしたい人には、よいガイドになるのではないかと思われる。
単行本、536ページ、翔泳社、2018/6/13