著:赤羽 雄二、イラスト:大舞 キリコ、星井 博文
ロジカルシンキングの本。マンガと解説を交互に組み合わせた形で構成されている。最近増えているタイプである。マンガによるストーリーをしばらく読んでからそれについての解説、またマンガで次いで解説、という流れである。読みやすいし、理解しやすい。
ベースとなっているのは、「ゼロ秒思考」である。A4用紙を横にして1分間集中し、テーマとなるタイトル1件に1葉のペースでアイディアを4~6行、それぞれ20~30文字程度で書き出してゆく。タイトルは疑問形にするとアイディアが浮かびやすいという。
次いで、フレームワークが出てくる。マトリクス、3C、ロジックツリー。ロジックツリーは、[現象・問題→本質的な原因→根本的な解決策→具体的施策]のものと、テーマから枝分かれしてゆくタイプのものが紹介されている。
フレームワークの本はいくつも出ているが、そもそもそれを生かすアイディアの出し方や思考方法がまずきちんと備わっていないと、いくら形だけ学んでもそれだけではなかなか生かせない。その一番基本の基本となる頭の使い方と整理の仕方についてまず重点をおいて「A4メモ書き」という手法でわかりやすく解説しているのが本書の特徴であるといえる。これはその気になれば誰でもできるやり方だと思う。具体的で実際に生かしやすい内容であったという点において、予想より良い本だった。
単行本、221ページ、宝島社。2015/7/25