著:アンドリュー・ソーベル、ジェロルド・パナス、訳:矢沢聖子
良い質問は答えに勝る。空気を変える。相手の態度を変える。理由がわかる。理解を深め合える。本質について共有できる。アイディアを集め、協力を引き出す。問題の解決に役立つ。そんな観点から、どのようなときにどういう質問をすればいいかを書いた本。取り上げられているのは、以下のような質問である。
・あなたはどう思いますか?
・これはミッションや目標の実現に役立ちますか?
・どんなふうに始めたのですか?
・これまででいちばんやりがいがあったことはなんですか?
・イエスですか?ノーですか?
・想定外だったことはなんですか?
・あなたは何を学びましたか?
・これまででいちばん答えに困った質問はなんですか?
・私を、リーダー(あるいは同僚、親、友人)としてどう見ていますか?
・あなたの計画を話してくれませんか?
・逆の立場だったら、どうしてもらいたいですか?
・彼らにもっとなにをしてもらいたいですか?
・なぜそうしたいのですか?
・問題はなんですか?
・今日が最高の日になるような出来事はありましたか?
・ほかにしたかったことはありませんか?
・あと3年しか生きられないとしたら、あなたは、個人として、職業人として、なにをしたいですか?
この本が感心するのは、質問例のひとつひとつに、解説だけでなく、それに関連したエピソードが付いていることである。エッセイ風で、なかなか興味深いものもある。それが気に入らないという人がいても不思議ではないくらい、自己啓発本っぽいものも結構ある。「今日、自分の死亡記事を書くとしたら、どんな略歴を書きたいですか?」という質問の逸話は、ちょっと感動した。
結果として、質問だけ見ればありきたりに思えるものが、なかなか含蓄深いもののように思えてくる。
質問名人としてソクラテスが取り上げられていたりする。また、個人生活におけるピーター・ドラッカーの5つの質問活用法というのも以下のように紹介されている。
・あなたのミッションはなんですか?
・時間とエネルギーをかけて関わりたいのはどんな人ですか?
・あなたの身近な人の重要な目標や優先事項はなんですか?
・周囲の人に何を期待していますか?そして、彼らはあなたに何を期待していますか?
・どんな計画を立てていますか?
最後には、本書で解説した質問を、シーン別に具体的にどのように組み合わせて生かすかについてまとめられている。
単行本、272ページ、CCCメディアハウス、2013/3/22
パワー・クエスチョン 空気を一変させ、相手を動かす質問の技術
- 作者: アンドリュー・ソーベル,ジェロルド・パナス,矢沢聖子
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2013/03/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
パワー・クエスチョン 空気を一変させ、相手を動かす質問の技術 [ アンドリュー・ソーベル ]
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