著:歴史ミステリー研究会
玉音放送の後に特攻へ飛び立った人たち。8月15日以降もソ連の対日参戦などで帝国陸海軍は18万の死者を出している。多くの人が恐れた米軍の上陸の日。がれきとなった日本軍の飛行機がところ狭しと置かれている厚木飛行場。喜びを爆発させる連合軍の捕虜たち。「ギブミー・チョコレート」と叫んで米兵に群がる子供たち。度重なる空襲で家を失くし上野駅を住みかにする人々。1945年の異常気象で食糧難が深刻化する中で行われた国会議事堂前でのイモづくり。東京ローズ探し。財閥解体。国民に衝撃を与えた昭和天皇とマッカーサー元帥が並んで写った写真。第二次世界大戦でボロボロになった当時の日本の混乱ぶりと、再興のとっかかりをつかんでゆくまでの時代のことを取り上げた本。
きちんとした歴史の本というよりは、当時はこうだった、というのを伝承的に振り返っているような感じである。紙質は良くないし、印刷も粗いが、その分お値段は抑えめである。解像度はよくないが、当時の写真も多く載っている。「戦時中の日本」が面白かったのでこちらも取り寄せて読んでみた。もっと一般人の人々の暮らしについての話が多いかなと期待していたのだが、それほどではなかった。ただ、屋根のない広島の青空教室で勉強する子供たちの姿とか、大勢の人でにぎわうヤミ市の様子を撮った写真などを見ると、本当に大変な時代だったと思う。
単行本、224ページ、彩図社、2015/5/22
終戦直後の日本 教科書には載っていない占領下の日本 [ 歴史ミステリー研究会 ]
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