密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

2021-06-05から1日間の記事一覧

深い余韻につつまれる見事な傑作。「日の名残り」

著:カズオ イシグロ(Kazuo Ishiguro)、訳:土屋 政雄 カズオ・イシグロの3作目の長編である。 素晴らしい作品だった。英国の執事が主人公である。ソールズベリーの館。新しいアメリカ人の主人に仕える老いたスティーブンス。ミス・ケントンからの手紙。車…

こみあげてくる感動が心をとらえて離さない見事な作品。「わたしを離さないで」

著:カズオ イシグロ、訳:土屋 政雄 「おれはな、よく川の中の二人を考える。どこかにある川で、すごく流れが速いんだ。で、その中に二人がいる。互いに相手にしがみついている。必死でしがみついてるんだけど、結局、流れが強すぎて、かなわん。最後は手を…