著:安田 正
雑談のテクニックについて述べた本。ベストセラーになった『超一流の雑談力』の続編である。
前作を読んだ人の要望を反映し、さらに前作のおさらいも盛り込んであるという。また、たとえ話やオチをつける方法も加えたという。それぞれのテクニックの解説の最後に、おまとめとして、前作で紹介したことと、この「超・実践編」で紹介したことが要約されている。
雑談では、話の内容より先にテンポを合わせる。そのためには、話が遅い人と早い人で言葉や反応の速度を変える。軽い失敗談や自虐を自己開示に使う。雑談では声の大きさの調整でペースが作れる。
地域ネタを制する者は雑談を制する。聞き上手になるには、キーワードを拾って聞く。オウム返しをする。「何か特別なことをされているんですか」のように、相手の思い入れの強い部分を引き出す。相手のタイプを見極める。
あいずちの「さしすせそ」などは、わかりやすい。さらに、これに一言加えるとよいという。
・さ=さすがですね
・し=知らなかったです
・す=素敵ですね、すごいですね
・せ=センスがいいですね
・そ=そうなんですね
雑談に必要な話し方とは、「正しさ」ではなく「かわいさ」である、という。断るときには、理由より、誠意を伝える方法を考える。相手が間違っていても真っ向からは反論しない。複数人を相手にするときには、キーマンを見極める。付録には、都道府県別ネタなどがある。
特に前提知識はいらず、簡単に読める。厚さはあるが、行間が広く、上下の余白も広めである。どこまで役に立つかは、その人次第である。
単行本、272ページ、文響社、2016/10/19