著:佐々木 圭一
言葉の表現技術の重要さとそのテクニックについての本。著者はコピーライター。作詞や大学非常勤講師もやっているという。伝え方は「技術」であるという主張に基づいて書かれているため、内容が具体的である。最初に骨子をまとめた折り込みがついており、その通り以下のポイントに沿って解説が行われている。
1「イエス」に変える3つのステップ
・自分の頭の中をそのままコトバにしない
・相手の頭の中を想像する
・相手のメリットと一致するお願いを作る
2「イエス」に変える7つの切り口
・相手の好きなこと:「デートしてください」→「驚くほど旨いパスタどう?」
・嫌いなこと回避:「芝生に入らないで」→「芝生に入ると、農薬のにおいがつきます」
・選択の自由:「デートしてください」→「驚くほど旨いパスタの店と、石釡フォッカチャの店どちらがいい?」
・認められたい意欲:「残業お願いできる?」→「きみの企画書が刺さるんだよ、お願いできない?」
・あなた限定:「自治会のミーティングに来て」→「他の人が来なくても、斉藤さんだけは来てほしいんです」
・チームワーク化:「勉強しなさい」→「一緒に勉強しよう」
・感謝:「領収書をおとしてください」→「いつもありがとうございます。領収書お願いできますか」
3「強いコトバ」をつくる5つの技術
・サプライズ法:「そうだ 京都、行こう。」
・ギャップ法:「これは私の勝利ではない。あなたの勝利だ」
・赤裸裸法:「くちびるが震えてる。あなたが好き。」
・リピート法:「今日は暑い、暑い」
・クライマックス法:「ここだけの話ですが、私はカレーが好きです」
「メールは感情30%増量でちょうどいい」「10分で『強い長文』をつくる技術」というように、長文やメールに応用する場合を想定した記述もある。やさしく、読みやすい。この本自体も、伝え方の技術を意識して書かれており、小気味よい文体である。
単行本、212ページ、ダイヤモンド社、2013/3/1
- ジャンル: 本・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 心理学 > 心理学
- ショップ: 楽天ブックス
- 価格: 1,512円