編集:朝日新聞出版
アカデミーへの反発→モデルニ(現代性)、科学の発展、激動のフランス、チューブ絵具、ジャポニズム、画商・批評家、意外とお坊ちゃんな画家たち(やや貧しいモネの家にも使用人がいた)。印象派の誕生にはこのような背景があったとされる。
1874年に第一回印象派展が開かれ、モネ、ルノワール、シスレー、ピサロ、ドガ、モリゾ、セザンヌなど30名200点以上が出展された。現代でも世界中で愛されている印象派について、やさしく説明した本。
オールカラー印刷。作品と視覚的な資料中心の構成になっており、大きめのキーワードと、わかりやすく書かれた解説を加えて、視覚的に印象派について理解できるようになっている。特に、以下がポイントとされている。
印象派は、風景を描いた
印象派は、目の前の現実を描いた
印象派は、絵の具を混ぜずに使った
印象派は、明るい
印象派は、日本美術に学んだ
印象派誕生に至る背景として、色彩の同時対比の法則、ミレーをはじめとするバルビゾン派の誕生、普仏戦争の影響といったことが説明されている。
また、12年で終わった印象派展のあと、画商のデュラン=リュエルがアメリカで大規模な印象派展を開き、これをきっかけにアメリカで人気に火がついたこと。そして、印象派以降、近代美術が多様化していったこと。
印象派全体についての入門書として、よくまとまっている本である。
単行本、112ページ、朝日新聞出版、2018/2/7
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