著:松本零士
松本零士作品の解説本。ムック本サイズ。主に取り上げられているのは、『宇宙海賊キャプテンハーロック』『宇宙戦艦ヤマト』『クイーンエメラルダス』『銀河鉄道999』『1000年女王』である。
それぞれの作品が各所に引用され、ストーリーや相関関係、キャラクターの法則といったような解説などが載っている。名セリフ集、美女図鑑、グッズ紹介、年表、マンガで描かれた「キャプテンハーロック誕生物語」もある。
「作品で一貫して言ってきたことは、『夢をあきらめるな』ということ。泣くのはいいが、あきらめるな。あきらめるくらいなら、最初からやるなと。夢とは志だ。夢をあきらめるな。人は生きるために生まれてきた。どんな動物も植物も生きるために生まれてきた。死ぬために生まれてきたものはいない。そう信じて頑張ってくれ。そう伝えたいね」。
松本零士氏の直撃インタビューもあり、自身の想いについて熱く語っている。また、宇宙飛行士の星出彰彦氏が、小学校低学年のときに『宇宙戦艦ヤマト』のブームで影響を受けた、と語っているインタビューもある。
扱いとしては小さいが、松本零士コミック作品の海外マーチャンタイジング展開と反響というのは面白かった。『キャプテンハーロック』はフランスでは『キャプテン・アルバートル』として1978年に放映されて視聴率70%に届き、このアニメオタク世代は「アルバートル世代」と呼ばれるようになったというようなことが書かれている。
あくまでもメジャー作品中心。『男おいどん』や、個人的に結構好きだった『戦場まんがシリーズ』は、年表欄に載っているだけである。
126ページ、三栄書房、2016/3/31