著:前田考歩、後藤洋平
プロジェクトマネージメントについての本。最大の特徴は、「プロジェクト譜」(略して「プ譜」)という俯瞰図を提唱して説明しているところになる。プロジェクト譜というのは、以下のような図式したものになる。
全体的な目次としては以下の通り。いきなり、「なぜプロジェクトは失敗するか」で始まっていることを見てもわかるように、基本的にプロジェクト管理の初心者向けに体系立って書いているというよりは、経験則に基づき、プロジェクトとはこういうものだということを述べた、一種の「プロジェクト道」というような感じの書きぶりである。
第1章 なぜプロジェクトは失敗するか
第2章 プロジェクトの道具箱
第3章 プロジェクト工学
第4章 プロジェクト譜―プ譜を使ってみる
第5章 プロジェクト・エディティングの技術
第6章 プロジェクトの感想戦
終章
例としては、ソフトウェアやゼネコンといったものではなく、日露戦争とか、シンゴジラとかについてページを割いて説明している。著者のプロジェクトとはこういうものだ観を説くものなので、著者としてはそれでもいいのだろう。主観的な説明が中心ではあるが、どこまで共感できるかはともかく主張自体には特別おかしなことが書かれているわけではなく、PMとして共感できるところはいろいろあったが、個人的には、「うんうん、それわかる」以上の知識を得るには至らなかった。
単行本、252ページ、宣伝会議、2018/3/29