久しぶりに買ってみた。日経マネーの今年の7月号である。巻頭特集は、「億万投資家に学ぶ日本株の必勝セオリー」である。
投資のスタイルは人によって違いがあるので、成長株投資、割安株投資、長期投資、配当株投資の4つに分けて有名な理論と実践している「億り人」の声で解説している。それぞれの視点での推奨銘柄も掲載されているが、そちらは省略する。最初の4人分だけ、参考に掲載する。
1.ピーター・リンチの銘柄選定基準(不人気業種から割安成長株を見つける)
- 面白味のない、またはばかげている社名
- 代り映えしない集客
- 感心しない業種
- 大企業から分離独立した会社
- 機関投資家が保有せず、アナリストがフォローしない会社
- 悪い噂の出ている会社
- 気の滅入る会社
- 無成長産業であること
- ニッチ産業であること
- 買い続けなければならない商品
- テクノロジーを使う側であること
- インサイダーたちが買う株
- 自社株買戻し
2.ウイリアム・オニール(成長株を買う)
- 直近四半期のEPSが前年同期比25%以上増
- 過去3~5年のEPS増加率が25%以上
- 新製品、新サービスなどがある
- 株数が少ない、小型株
- 相場の先導役である
- 機関投資家が買っている
- 相場全体の地合いがよい
3.本多静六(給料の4分の1を貯金&堅実投資)
- 自発的、積極的に勤倹貯蓄に努めて、逆に貧乏を圧倒する
- 貯金生活を続けていく上に、一番の差しさわりになるのは虚栄心
- 雪だるまの芯を作る。「貯金の門」をくぐらず巨富には至りえない
- 投機ではない。思惑ではいかん
- 2割利食い、10割益半分手放し
- 不景気時代には思い切った投資を、時機を逸せず巧みに繰り返す
4.ウォレン・バフェット
- 消費者独占力を持つと思われる製品・サービスがある
- EPSが力強い増加傾向にある
- 多額の債務を抱えていない
- ROE(自己資本率)が十分に高い
- 現状を維持するために、内部留保利益の大きな割合を再投資する必要はない
- 内部留保利益を新規事業や自社株買いの買戻しに自由に使える
- インフレを価格に転換できる
- 内部留保の再投資による利益が株価上昇につながっている
海外投資家が増えることで市場のプレーヤーが交代し、PERとPBRで割安を見るのは通用しなくなっている。ROE,ROA, ROICが重要になってきている。
特にROEで、単にROEが高いだけでなく改善傾向にあることがポイントだという。さらに、ROE改善とともに、増収傾向にあることが重要になってくる。単なるコスト削減ではダメなのである。
また、景気循環株には「低PERのワナ」があり、株価が景気より先行して下落することから一時的に安くみえることの注意を促している。
手っ取り早く有望銘柄を見つけたいのであれば、「最新理論株価でお宝株を見つけよう」と「来期も好調な最高益更新株」がおすすめだ。「2019年春上場26銘柄総点検」という欄もある。
「エフナンさんの成長株投資教室」では、勝てる投資の基本をやさしく解説。この回ではピーター・リンチの投資法に焦点を当てている。「株の達人に聞く今月の注目株」など、いろいろな切り口による銘柄に関する情報はたくさんある。
雑誌、日経BP社、2019/5/21
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