密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019-2038

著:坂口 孝則

 

 人口動態の予測データ、産業構造の変化、技術の進展などから、今後、こういうところにこういうビジネス機会がある、ということを書いた本。

 

 コンビニの飽和、シニア需要、クルマの自動運転、インフラ老朽化、代替エネルギー、スマート農業、アフリカの人口急増、インドの発展、人口のピークをむかえる中国、シニアビジネス、現代の若者の特質、女性の社会進出、宇宙関連、30%超が空き家になる、AI時代のビジネス、空のビジネス、就活、教祖ビジネス、といったことが書かれてある。

 

 教祖ビジネスについてはあまり考えたことはなかったが、それ以外は今までもあちこちで言われてきたことが中心で、正直、目新しさは無かった。人生100年時代というようなことも、今は普通に言われていることだ。そういう点で、期待通りだったかというと、そうではなかった。

 

 個人的に、この本で一番印象に残ったことは、そういった未来のことではなかった。いろんな人に講演をお願いして勉強会を開いてきたことから、著者は以下の3つのことを学んだ、というところだ。

 

・朝早く起きて仕事をしなさい

・学び続けなさい

・他人に優しくしなさい

 

「なんと面白みのない、くだらない、凡庸なものだろう。みんなは笑いあった。しかし、繰り返すと、きっと真実は、その凡庸のなかにあるに違いない。それらが重要だと、バカ者の私も知っていた。私たちは、何かを求めている。どこかに、何か、自分の知らない秘密があるのではないか、きっとどこかに商売を激変させる逆転策があるのではないか―と。ただ、結局は地道な努力と活動を重ねていくしかない。そしてさらに、自分の信じた道で、社会価値を提供できるように―」。

 

 時代は変わり、人口も、社会も、技術も、価値観も変わる。しかし、結局、魔法はない。世の中がどう変わろうと、それだけそれを正確に予期していようと、モノにする力がなければそれだけのことに終わる。チャンスをつかんで道を切り開いてゆけるように、まずはきちんと地に足をつけ、自分の能力と可能性をコツコツ高めてゆくしかなさそうだ。

 

新書、362ページ、幻冬舎、2018/9/27

未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019-2038 (幻冬舎新書)

未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019-2038 (幻冬舎新書)

  • 作者: 坂口孝則
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2018/09/27
  • メディア: 新書