著:鈴木 邦成
SCM(Supply Chain Management)の本。「トコトンやさしい」とあるように、本当に優しく書かれてある。社会人としての世間の一般常識が備わってさえいれば、それ以外の前提知識は不要、といえるくらい易しい。ABC会計と相性がよい、というようなことも書かれている。
SCMとは何?SCMは何がいいのか。グローバルSCM。SCMとERMの関係。オムニチャネルとの関係。コールドチェーン、グリーンサプライチェーン、リバースチェーン。
コスト削減も在庫圧縮もSCMの効果に過ぎず、SCMで一番大事なのは「スループット」、つまり、モノの移動スピードとそれにまつわるお金の流れである、というのは印象に残った。
スループットを見直すことが、結果的に、在庫回転率の向上、配送費用や在庫管理費用や人件費や労務費などの費用低減効果をもたらすことになるという主張である。
テーマ別に、見開きで、右ページが文章、左ページが図解という構成。薄く、読みやすく、理解しやすい。入門の入門という感じで、あくまでも初心者向けの本だが、そういう本はそういう本で重要なものである。
単行本、160ページ、日刊工業新聞社、第2版、2014/8/27