密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

テキスト・マイニング技術と機械学習で明らかになった売れる小説の原理。『ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム 』

著:ジョディ・アーチャー、マシュー・ジョッカーズ、監修:西内啓、訳:川添節子

 

 テキストマイニングと機械学習を用いて、アメリカでベストセラーになった小説とあまり売れなかった小説をコンピュータで比較。売れる小説というのはどういう特徴を備えたものなのかを解説した本である。

 テーマを多く詰め込みすぎないようにして主要なものは3つくらいに絞る。物語の基本は3幕構成で、時間軸でみて大きく7種類のプロットラインに分ける。短く簡潔な文を多用する。登場人物は何かを必要とし、主体的に求め、考え、実行し、愛する。タイトルは、時には1000万ドルの価値がある。

 率直に感想を書くなら、驚くようなことは書かれていない。テーマとして裁判が大きな存在感があるというような日本との違いはあるが、アメリカだったらこうだろうな、という常識的な分析結果である。ただ、データ分析の裏付けによって、やっぱりそうだったんだ、という感じがする。

 尚、この邦訳版は、統計家の西内氏が、データ分析を専門にする立場から解説を書いている。

 

単行本、344ページ、日経BP社、2017/3/23

ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム

ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム

  • 作者: ジョディ・アーチャー,マシュー・ジョッカーズ,西内啓,川添節子
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2017/03/23
  • メディア: 単行本
 
 

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