密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

八日目の蝉 (中公文庫)

著:角田 光代

 

交際相手の既婚男性から、

おなかの子供を堕せといわれてそうせざるをえなかった希和子。

しかし今度は、その男性と妻の間に赤ん坊ができ、彼女はその子を誘拐する。

そして、はじまった逃避行。。。

いや、なんという小説だろう。

ページをめくりながら、ため息をつき、

何度もやりきれない気持ちになった。

こういう作品は、読み手も結構エネルギーを使う。

なのに、読みはじめると止められない。

大きくは2章構成になっている。

特に前半の展開は素晴らしく、途中で息が詰まりそうだった。

後半は視点が変わる。

そして、エンディングは静かで深い余韻が残る。

映画にもなった角田 光代の作品。

見事な長編。傑作である。

 

文庫、376ページ、中央公論新社、2011/1/22

八日目の蝉 (中公文庫)

八日目の蝉 (中公文庫)

  • 作者: 角田光代
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2011/01/22
  • メディア: 文庫
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