著:西城秀樹、写真:武藤 義
西城秀樹の写真を中心にしたフォトエッセイ。子供の頃に熱烈なファンで、たまたま近年、西城秀樹が出演するコンサートにも足を運んだ嫁が買った。ちなみに、かつてファンで、最近になってまた秀樹のファンに復活した人を、「ブーメラン組」と言うそうである。
この本は2016年に出版されている。西城秀樹デビュー45周年に当たる年である。「THE 45」というタイトルもそこからつけられてる。秀樹はもちろんまだ生きていて、本書の本人のエッセイを読む限り、まだまだ仕事をやる気がみなぎっている。つまり、亡くなったあとの人気を当て込んで出版されたものではない。
むしろ、この本の位置づけはある意味その逆で、本書にある以下の秀樹のメッセージように、35年間もつきあってきたカメラマンが2014年に亡くなったことを追悼する意味も込められている。
「カメラマンの武藤さんと僕のつき合いは、35年に及びます。その彼が病に倒れ、旅立ったと聞いたときはショックでした。こうしていま、彼の撮った写真を見ると、さまざまな思い出がよみがえるとともに、『さすが、武藤さん、少しのチャッターチャンスも逃していない!』と驚くばかりです」。(50周年に向けて! 西城秀樹)
写真は、広く使われてきたものとは少し違うものが収録されている。レコードや雑誌で利用されるの1枚の陰には、そこに採用されなかったたくさんのカットがあって、その中から再度選ばれたものである。その点で、マニアック度は少し高めといえる。
つまり、近いものは見たことがあっても、この本に掲載されている写真そのものは古くから知っているファンでも見たことがないものがかなり多い筈である。よって、単に昔の思い出に浸るためになじみの写真を載ったものを買うというのではなく、「ブーメラン組」にとっても新たな発見が多いのではないかと思う。もちろん、長年秀樹とつきあって互いによく知るカメラマンが撮影しつづけた貴重な写真の中からセレクションしたものであるから、そうで人にとっても安心して見れると思う。
120ページなのでそれほど厚さのある本ではないが、オールカラー。写真の印刷も悪くない。巻末には、「45年の軌跡」として、デビューからのシングルジャケットやDVD、主な活動について写真付きでコンパクトに紹介したページがある。
単行本、120ページ、清流出版、2016/9/1
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