著:丹野清志
日本の果物の消費量はバナナが一番多く、次いで、みかん、リンゴの順だという。ただ欧米ではもっと消費量が多いらしい。理由は、日本では生食が多いが、海外では生で食べるだけでなく食材としても幅広く利用して食べているからだという。リンゴについて書かれた本。
130ページに満たない薄い本だが、写真が多くオールカラー。リンゴと健康、リンゴの栽培と品種、リンゴを使った料理のレシピ、津軽地方についての簡単な解説、という内容になっている。
リンゴの栽培の様子は、雪深い頃の剪定からはじまり、季節ごとの作業が実際のリンゴ園の写真とともに載っている。大きな実をつけさせるために行う摘花や摘果。着色のために袋をかける。収穫まで4-6回草刈りをしながらも、土壌保全や肥料とするためにあえて除草はしないようにする。手間のかかる作業である。収穫は8月から11月。リンゴは接ぎ木で増やす。
リンゴはバラ科の植物で、種類は世界で15,000種類、日本でも2000種あるといわれ、そのうち40種程度が食用とされている。
リンゴのレシピでは、食感、香りを生かす、甘味や酸味を生かす、色のアクセントにするというリンゴの特徴を生かした料理が良いようだ。リンゴはカリウムが多いので減塩効果も期待できる。
日本のリンゴ生産量は世界で14位。最近は海外にも輸出されている。好まれる種類は時代によって変わってきており、かつては「紅玉」「国光」が多かったが、「スターキング」が人気になり、1982年からは「ふじ」がトップになっていて、今は生産量の半分が「ふじ」だという。青森を中心にリンゴについての基礎知識をやさしくまとめた本である。
単行本、128ページ、ナツメ社、2017/6/15