密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

ビジネスモデルキャンバスを使った新規ビジネス創出のフレームワークと手法をビジュアルに解説。『ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書』

著:アレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュール、訳:小山 龍介

 

 ビジネスモデルの青写真作成の過程を、ビジュアルで直感的でわかりやすい形でフレームワーク化した本。オールカラー。横長で、中身のページデザインも洗練されている。そして、見やすく、読みやすい。主に以下の5つの章で構成されている。


1. キャンバス
2. パターン
3. デザイン
4. 戦略
5. プロセス


 本書によれば、ビジネスモデルを扱うコンセプトは、4つの領域(顧客、価値提案、インフラ、資金)をカバーする以下の9つの構築ブロックで成っている。そして、ビジネスモデルは、組織構造、プロセス、システムを通じて実行される戦略の青写真となる。


1. 顧客セグメント(CS)
2. 価値提案(VP)
3. チャネル(CH)
4. 顧客との関係(CR)
5. 収益の流れ(RS)
6. リソース(KR)
7. 主要活動(KA)
8. パートナー(KP)
9. コスト構造(CS)

 いろいろな事例を紹介しながら、そのビジネスモデルを上記9つのブロックをつなぐ一連の矢印で視覚化して説明している。そして、次のような既存の様々な手法および概念も次々利用してゆく。

 

SWOT分析

ブルーオーシャン戦略

・ニッチ市場やロングテール

ブレーンストーミング

・ポーターの5つの力

フリーミアム

・プロトタイピング

オープンソース

・ビジュアルシンキング


 また、本書では、ビジネスモデルのデザインプロセスには以下の5つのフェーズがあるとしている。


1. リソースを結集:ステージを用意
2. 理解する:没頭
3. デザインする:探求
4. 実行する:遂行
5. 管理する:進化

 とっつきやすく、わかりやすい本なのだが、読んでみると実際は見た目以上に網羅性と奥行きのある内容で驚いた。素晴らしい。

 

大型本、288ページ、翔泳社、2012/2/10

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

  • 作者: アレックス・オスターワルダー,イヴ・ピニュール,小山龍介
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2012/02/10
  • メディア: 大型本
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