密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

社会派小説家池井戸潤が直木賞を受賞した見事な長編小説。『下町ロケット 』

著:池井戸 潤

 

半沢直樹」で一気にブレイクした池井戸潤が、

第145回直木賞を受賞した作品。

その後、TBSのドラマとしてもヒットした。

物語開始早々、いきなりの試練連発。

町工場の中小企業を襲う、取引打ち切りに、特許訴訟。

しかし、これらはロケットに例えれば1段目に過ぎないことに、途中で気づく。

そして、後半の展開へ。。。

出来過ぎなくらい、よく構成されていて面白い。

そして、心を揺さぶられる。

一気に読ませる見事な長編だった。

それにしても、「空飛ぶタイヤ」は、三菱自動車リコール隠しがモデルになっていたし、この作品に登場する帝国重工は、明らかに三菱重工だろうし、

池井戸氏自身も三菱銀行出身で、半沢直樹シリーズはそんな大銀行が舞台。

こうやってざっと見ていくと、三菱グループがこの人の代表作のヒントになっているように思える。

いずれにせよ、痛快で面白かった。

 

496ページ、小学館、2013/12/26

下町ロケット (小学館文庫)

下町ロケット (小学館文庫)