著:國貞克則
2007年に出版された同名の本の改訂増補版。一部を手直しし、その後に法改正された部分などを手直しし、英文会計について加筆したという。
この本の特徴は、仕訳の勉強を飛ばし、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書(直接CSと間接CS)の3種類を読めるようにすることを主眼に置いていることにある。会計書類を作るのであればともかく、読んで理解できるようにするだけなら、こういう方法でも可能である、という主張である。
漆器のネット販売をやる場合に、3種類の間で関連しながらどこの数字がどう動くかを解説している。いちいち図解で示してあるので、関連性はわかりやすい。さらには、法人税の計算、連結会計についても説明している。
後半の発展編は、退職給付会計、時価会計、税効果会計、税効果会計、減損会計を説明している。国際会計基準、買収・合併・分割といった組織再編会計基準もある。英文会計の説明は簡素だが、用語含め日本の会計との対比を中心に書かれている。
自分の書いた他の本の宣伝がちょこちょこ顔を出すのがどうかと思ったが、内容自体は予想よりも盛りだくさんの本で、勉強になった。
新書、336ページ、朝日新聞出版、2016/10/13