著:齋藤 孝
雑談への苦手意識を克服するコツをまとめた本。上手な話し方とか、コミュニケーション力についての本はあるが、この本は「雑談」に的を絞っているところが特徴的。
雑談上手は話し上手とは違う。なぜなら、雑談は雑談自体が目的であり、落ちは要らないから。延々と会話が続いて話題が変わって、とくに中身が無くてもいい。どうしてもネタに困ったら、とりあえず何か褒めておく。あいさつ+α。相手の言うことは、とりあえず肯定しておく。年配者というのは若い世代が何に関心を持っているか気になっているものなのだから、年配の人と話すときには無理に話題を合わせようとしなくてもいい。
たかが雑談である。しかし、雑談の力はあなどれない。周囲に安心感を与え、情報収集の手段にもなり、コミュニケーションのツールであり、相手を知ることもできる。雑談力は生きる力でもあるという。
あっさり読めるし、すらすら読めるように意識して書いてある。何の前提知識もいらない。強調したいところはあらかじめ線が引いてある。
世の中、意外に雑談が苦手だという人は多いと思う。実は、コツは簡単なことなのだ。少し発想を変えればいい。なーんだ、こういうことか、と拍子抜けするかもしれないが、重要なコツというのは得てしてそういうものであり、こういう本はこういう本で意味がある。ちょっとしたことだが、なるほど感はあった。
単行本、182ページ、ダイヤモンド社、2010/4/9
雑談力が上がる話し方 30秒でうちとける会話のルール [ 齋藤孝(教育学) ]
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