著:棟方 武城、監修:笹間 良彦
日本の甲冑について解説した本。全体の約4分の3がカラーで、写真や図解が多く掲載されており、タイトル通り、わかりやすい内容になっている。
特に、時代に応じた甲冑の変化についての説明が分かりやすかった。弥生時代の木製の防具。5世紀に馬の生産が本格的に始まり、騎馬がもたらされる。短甲と呼ばれるベストのような甲。小札と呼ばれる小さい細長い板状の鉄や皮を張り合わせて作ったけい甲と呼ばれる甲。平安時代になって、我々の一般的なイメージの鎧になるが、騎馬武者が矢を射合う形式の合戦が多かったので、大鎧が流行した。しかし、鎌倉時代以降は軽快さと経済性が求められ、簡素化や軽量化が進む。室町時代になって足軽が登場して歩兵戦が主体になると、胴丸が普及する。戦国時代には当世具足が登場する。家康は南蛮鎧も身につけるし、一部は国産でも作られた。
今残っている総鎧は、元々は神社に祈願奉納されたものが多いらしい。兜、太刀から刀、鉄砲、鐙などの変化についても適時解説されている。日本の甲冑は、サムライアートとして海外でも好評。各地で甲冑が見られるイベント一覧などもある。なかなか良い本だ。
大型本、184ページ、新紀元社、2016/7/21
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