密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か

著:小林 雅一

 

 グーグルに買収されたディープマインド共同創業者のシェーン・レッグ氏は、「最終的に、人類はテクノロジーによって絶滅するだろう。(中略)今世紀におけるその最大の危険要因はAIだ」と語っているという。Deep Learningを中心に、人工知能研究の進歩について紹介した本。

 機械学習。背景にあるビッグデータとIoT。ディープ・ニューラルネット。なぜ強化学習。フレーム問題。カルマン・フィルター。ロジスティック回帰分析。コスト関数。パーセプトロン。ルールベースのAIの失敗。ベイズ定理。サポート・ベクター・マシン。スパース・コーディング。GPU。脳のシュミレートとカットオフ問題。ROS(ロボット用の基本OS)。AIに対するGoogleの研究投資の凄さとロボット大国日本の競争力への危機感。将棋電王戦。インダストリー4.0との関係。AIが作曲も行う。人工知能の将来と人間の立場。

 一般向けになるべくわかりやすく書かれている。Deep Learning向けの専門書にあるような数式類はほぼ出てこない。現代のAIの教養レベルの基本知識とトレンドについて簡便に理解できるという点で、良い本である。

 

新書、256ページ、講談社、2015/3/19

 

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か (講談社現代新書)

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か (講談社現代新書)

  • 作者: 小林雅一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/03/19
  • メディア: 新書