著: 麻美ゆま
少し前の本だが、以前から気になっていたので読んでみた。著者は、人気の元AV女優でTVでも活躍した麻美ゆま。卵巣境界悪性腫瘍が見つかり、若くして卵巣と子宮を全摘出。つらい抗がん剤治療も経験している。
本名は「さやか」。日本で最初のフィリピンパブを経営するお父さんと母親の末っ子として生まれて、高崎で育った時期のこと。18歳で芸能界に入ったこと。AVデビューした経緯。頑張ってきた仕事のこと。いくつかの恋愛と別れ。事業がうまくいかなくなり、実家を売却するなど苦しい生活に陥った両親を支える。兄の死。父親に見つかったガン。そして、自身に降りかかった重い病気と闘病生活。これらすべてを、こんなに若くして経験してきたのか、と思う。
とても優しく性格のいい人だということが、行間からにじみ出ている。また、仕事に対する姿勢をはじめ、強い責任感も印象に残った。たとえそれが厳しいものであったとしても、目をそらさずきちんと現実と向かい合い前を向いて生きてきた芯の強さも伝わってくる。月並みな言い方だが、勇気をもらえた気がした。
単行本、280ページ、講談社、2014/5/8