著:株式会社SMATOOS
「金融の英語」となっていますが、金融英語を体系的に学ぶための教材ではありません。いろいろな講演やインタビューを集めて一冊の本にしたものです。もちろんCD付きです。
学習者向けにやさしくしたものではありませんから、容赦のない普通のネイティブスピーカー向けのトークばかりです。それを録音して、そこから起こしたスクリプトと訳文がついているものです。”English Journal”に収録されているインタビュー集のようなものを想定してもらえればいいと思います。
このような本なので、英語としては上級者向けになります。内容についても、FinTechのスタートアップ創業者、投資家、市場関係者、銀行、学者といった顔ぶれであり、内容も一般のビジネス会話よりも高度です。個人的な話になりますが、私はTOEIC 860点で、ここでテーマになっている分野もけして素人ではないのですが、かなり手こずりました。
ただ、そういうリスニング用の教材だと割り切れば、とても良い内容です。クレイトン・クリステンセンの破壊的イノベーションに関する話はビジネスマンとして知っておいて損のないものでしたし、Stripeのジョン・コリソンやTransferWiseのクリスト・カーマンなどのFinTechスタートアップの創業者たちの話を聴けたのはよかったです。ブロックチェーンの話もあります。
万人向けとはいえませんが、イノベーション分野やFinTech関連の生の英語に触れたいという人にはとてもいい教材だと思います。
単行本、224ページ、アルク、2016/12/21