密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

トップスケーターのすごさがわかるフィギュアスケート

著:中野 友加里

 

 かつて女子フィギュアスケートの有力選手として世界選手権で複数回の入賞をした中野友加里氏の本。五輪代表になるまでのいろいろなプロセス、スケート靴や化粧やコーチの役割といった選手目線でのフィギュアスケート選手の舞台裏、羽生選手を例にしたフィギュアスケートでの得点の決め方やジャンプの説明、著者と交流のあったフィギュアスケートの選手たちのことが書かれてある。

 得点の説明は簡易的なものだが、実際の選手たちの採点表を例にして書かれてあり、具体的でわかりやすい。ジャンプやステップやループの説明も同様。平昌五輪を意識した記述も目立つ。ただ、最後の「私が見たスケーターたちの素顔」は、著者の現役時代と重なっているちょっと前の人たちであって今度の五輪代表ではない。著者だから書けることを複数の視点から書いてまとめた、という感じの本である。

 

新書、254ページ、ポプラ社、2017/9/8