著:平坂 寛
よくぞまあ、こんなものを、と思う生き物の捕獲と試食に挑戦した記録をまとめた本である。著者は生物ライター。
ひとつ目はオオカミウオ。グロい。でかい。ただ、兜煮にすると、ファミチキのような味。イグアナも巨大でグロく、捕まえるときに鋭いとげの並んだ尻尾ではたかれて指を切り裂かれる。しかし、これは非常に美味。
まあ、こういう感じで、グロい生き物の捕獲と試食の記録が続く。毒のある生き物や、悪魔のようにうまいがワックスエステルなので人体では消化できないために食品衛生法で販売が禁止されているバラムツ、香港のどぶで捕まえた巨大なクラリアスと、見た目だけでなくどう考えてもこれやばいでしょう、というものもある。
写真がついており、本当に、こんなのよく食べたな、と思う。電気ウナギのかば焼きのように、海外での取材もある。また、そもそも著者がどうしてこのようなライター職になったのかを生い立ちから説明したエッセイも盛り込まれている。
正直、読んでいて何度か気持ち悪くなりそうになったが、この自らを人体実験の道具にしている体当たり精神には素直に拍手を贈りたくなった。
単行本、160ページ、主婦と生活社、2017/7/7
- 作者: 平坂寛
- 出版社/メーカー: 主婦と生活社
- 発売日: 2017/07/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)