著:フィリップ コトラー、翻訳:木村 達也
「成長とは新鮮な酸素である。成長することによって、働く人たちが本物のチャンスだと思える活力と情熱に満ちた企業が生み出される...(中略)...だが、成長そのものを目標とすることには注意を要する。企業の目標は利益を生む成長でなければならない。...(中略)...マーケティングの中心的な役割は、『利益成長』を達成することである」。
マーケティングの大家、コトラーによるマーケティング論。多少厚みはあるが、読み出すと止まらなくなる。わかりやすく、具体的で、何より全編を通じて説得力に満ちている。
「どんな企業も、顧客の『なぜおたくから買ったほうがいいのか』という質問に答えられなければならない」。
「抜け目のない企業は、満足しなかった顧客がそのことを企業に気軽に話せるシステムを設けている」。
以前読んだP.F.ドラッカーの本によると、企業でもっとも重要な部署は、イノベーションを担当する部門とマーケティング部門ということになる。また、本書に「マーケティングは、絶えず再定義がなされ、新たな責任が加えられている」とあるように、顧客重視・市場重視の考え方が企業に広がり、マーケティングは今や一部の部門の限られた人たちだけが行う販売のための活動という定義の枠だけでは収まらない広がりを持つものになってきている。つまり、今や、マーケッティングに関しての基本知識は多くの企業人が身につけておくべき教養のひとつになってきているように思われる。本書はそのような目的で読むには格好の一冊に仕上がっている。
単行本、370ページ、ダイヤモンド社、2000/2/1
コトラーの戦略的マーケティング いかに市場を創造し、攻略し、支配するか [ フィリップ・コトラー ]
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