密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

図解入門業界研究 最新銀行業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第5版]

著:平木恭一

 

 日銀のマイナス金利の影響、地銀再編、FinTechの荒波にもまれている銀行業界について解説した本。これが第5版。この「入門業界研究」シリーズは、このように適時最新情報を加えて改訂されているものがいくつもあるが、これもその一冊。ベストセラーとまではいかないものの、底堅い需要があるのだろう。

 

 内容的には、銀行の三大業務(預金・融資・為替)といったことはもちろん載っているが、全体的にはどのテーマも昨今のトレンドをかなり前面に出して書かれてある。例えば、キャッシュレス化、スマホ決済、銀行カードローンへの議論、2020年に向けて東京を国際金融都市にしようとする動き、金融庁の信託業務への指導、フィービジネス重視の流れ、ローソンの銀行参入などネット銀行の動向、国際化、保険窓販への手数料開示の圧力、ブロックチェーン活用の動き、といったものである。メガバンクグループの動きや各地域の主要な地銀の動きについても書かれてある。

 

 なんらかの形で銀行やFinTechに関連していれば、目新しい話題はなく、この程度のことは押さえておいた方がいいという基本的なレベルである。ただ、それだけに、銀行業界の動向をざっと知る、という用途であれば、手堅くまとめられている本であるように思う。

 

単行本、214ページ、秀和システム、2017/12/2