密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

グーグルに学ぶディープラーニング

編集:日経ビッグデータ

 

「これまで、確かにディープラーニングは大幅な進歩を遂げてきたといわれています。一方で、その研究成果は、コンピュータや自然言語処理、画像処理などそれぞれの分野の研究成果の集大成という側面があります。実際には、課題となる領域は膨大で、さらに広い分野での研究が必要です」

 

「私たちグーグルでは、『AIの民主化』を1つのミッションと考えています。AIや機械学習の研究者の専門領域を統合することで、お客様の課題を解決できると思います」

(以上、グーグルクラウド・マシンラーニング・グループ研究責任者ジア・リー)

 

 AI分野において大きな注目を浴びているディープラーニングについて、一般向けに紹介した本。日経ビッグデータという雑誌の編集部によって書かれている。

 特徴は大きく2点ある。まず第一に、とにかく易しく書かれている。前提知識の無い人が読めるようにかなり噛み砕いてある。第二に、直接取材した結果に基づいて書かれている点である。世の中のITイノベーション分野の本の中には、ネットで検索して集めたまた聞きレベルの情報に個人的な想像と見解を加えて書かれただけのようなものもあるが、この本はそうではない。ごくごく入門者向けのものとはいえ、直接取材を中心に関係者の生の声を集めて書かれている点が貴重である。この辺はIT専門の雑誌であることの強みが出ている。

 ただ、本書の技術解説は、これを技術解説と呼ぶべきものかためらわれるくらいのごくごく初歩的なものであるので、技術を詳しく知りたい人向けではない。また、AI分野の進歩は速く、本書の内容はもう最新ではない。

 

単行本、184ページ、日経BP社、2017/1/26

 

グーグルに学ぶディープラーニング

グーグルに学ぶディープラーニング