密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

ビジネス

Google, Amazon, Facebook, Apple, Uber, 他。 「プラットフォーマー 勝者の法則 コミュニティとネットワークの力を爆発させる方法」

著:ロール・クレア・レイエ、ブノワ・レイエ、翻訳:根来 龍之、門脇 弘典 「ウーバーは世界最大のタクシー会社だが、クルマを一台も所有していない。フェイスブックは世界一の人気メディアだが、コンテンツをまったく生み出さない。アリババは世界一の流通…

ポジショニング、バランススコアカード、ブルーオーシャン戦略、破壊的イノベーション、SCM, CRM。『マンガ経営戦略全史 革新篇』

著:三谷 宏治、イラスト:飛高 翔 「経営戦略全史」をマンガ化したもの。2巻構成になっており、前編に続く後編にあたるこの革新編では主に1995年以降に流行した理論を扱っている。 本書では、以下のような理論もしくはテーマが取り上げられている。 マイケ…

バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る

著:アレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュール、グレッグ・バーナーダ、アラン・スミス、訳:関 美和 「ビジネス・モデル・キャンバス」と「バリュー・プロポジション・キャンバス」を用いることで、ビジネスモデルのアイディアを検証しながらデザイ…

重要な経営戦略理論を漫画でたどる。『マンガ経営戦略全史 確立篇』

著:三谷 宏治、イラスト:飛高 翔 「経営戦略全史」をマンガ化したもの。2巻構成になっており、前編にあたるこの確立編では近代のマネジメント理論が誕生した頃から1995年頃までに流行した理論を扱っている。以下のような人たちの理論が取り上げられている…

技術用語は少なくエンジニアかどうかは関係なく物流業務の理解に役立つ。『 エンジニアが学ぶ物流システムの「知識」と「技術」』

著:石川 和幸. 物流の仕組みについて解説した本。「エンジニアが学ぶ」とあるように、物流の専門家というよりはこれから物流のシステムに関係しなければならない人の教科書的なものを想定して書かれているが、実際は技術用語は一般常識的な範囲であり、エン…

ヨーロッパのGDPRは単なる法律の問題ではない。『さよなら、インターネット――GDPRはネットとデータをどう変えるのか』

著:武邑 光裕、解説:若林 恵 ヨーロッパのGDPR登場の背景とその意味を、ルールそのものの解説というよりは、アメリカを中心とするネット企業と欧州各国とのデジタルデータに関する文化的・文明的あるいはイデオロギー的な対立軸の側面から解説した本。 GDP…

図解入門業界研究 最新不動産業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第3版]

著:磯村 幸一郎 個別業界や分野について、一般向けに解説したシリーズの中の一冊。不動産分野に特化しており、これは第3版。テーマ別に見開きのページでまとめられており、図解を多用し、 不動産業は国内総資産の11%を占め、不動産は国民総資産の16%を占…

総合商社――その「強さ」と、日本企業の「次」を探る(祥伝社新書)

著:田中 隆之 総合商社という形態は他の国に無いということではないが、基本的には日本独自のものといえる。学術研究的な視点から、総合商社の歴史や変遷について述べた本である。著者は元銀行出身で経済学専攻の大学教授。固めの書きぶりの文章だが、淡々…

オープン・イノベーションの教科書――社外の技術でビジネスをつくる実践ステップ

著:星野 達也 少し前の本である。今では日本でもビジネス用語として定着してきた感の強い「オープン・イノベーション」について解説した本。昨今はIT分野でもオープン・イノベーションが盛んだが、この本は基本的にモノ作りに関する話が中心である。 オープ…

社内の新規事業を次々立ち上げ、社外でラクスル等を、さらに週末起業まで。起業のプロが語る。『守屋 実のザ・イントレプレナーシップ 』

著:羽幡 咲嬉 ミスミで新規事業をいくつも立ち上げ、さらに「ラクスル」「ブティックス」の創業期も支えた国内屈指の新規事業のプロにインタビューした内容をまとめた本。守屋氏のアドバイスや支援を受けた元サッカー全日本代表の鈴木啓太氏とミーミル代表…

グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50

著:グロービス ビジネスや経営コンサルティングで利用される基本的なフレームワークを紹介した本である。 クリティカル・シンキング編、戦略・マーケティング編、組織マネージメント・リーダーシップ編、会計・ファイナンス編、その他上級編の4つの章に分け…

重要なのは方法論やツールでなく対話。そして、定説をうのみにせずきちんと考えること。「申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。」

著:カレン・フェラン、訳:神崎 朗子 ずいぶん派手な邦題をつけたものだと思ったら、そうではなく、原題からして「I'm Sorry I Broke Your Company」だった。 経験30年の米国のベテランのコンサルタントが、今まで自分がかかわった仕事に基づき、経営やコン…

イラスト図解 スマート工場のしくみ IoT、AI、RPAで変わるモノづくり

著&編集:川上 正伸、竹内 芳久、新堀 克美、松林 光男 結論から書くなら、この本は、タイトルから期待される内容とは少し違う。確かに、後半では、IoT, AI, RPAが出てくるが、全体に占める割合は多くない。 むしろこの本の良いところは、今までの工場の生…

スタートアップの起業に必要なことが俯瞰できる。「起業の科学 スタートアップサイエンス 」

著:田所 雅之 「ビジョンやミッションが語れないファウンダーの下には、そもそも魅力的な人材が集まらない。人材が集まったとしても、そのコミットメントを引き出すことができない」 「将来的にこうあるべきだという強いビジョンやミッションを掲げていれば…

あの会社はこうして潰れた 日経プレミアシリーズ

著:帝国データバンク情報部 藤森徹 経営に破綻をきたした企業の事例をまとめた本。日本経済新聞電子版の連載が元になっている。著者は帝国データバンクで倒産を扱う情報部に所属している。 老舗企業、短期間に急成長した会社、千鳥屋や白元など多くの人が名…

千年、働いてきました: 老舗企業大国ニッポン

著:野村 進 以前、新書で出版されていたものを加筆修正して文庫にして再出版された本である。内容は面白い。着眼点がいい。一気に読んだ。日本にはそう大きくなくても、世界に誇れる独自の技術力を持っている会社がたくさんあるが、本書はその中から100年以…

ワークショップをうまく進めるにはどうすればよいか。「ワークショップデザイン――知をつむぐ対話の場づくり(ファシリテーション・スキルズ)」

著:堀 公俊、加藤 彰 ワークショップをどのように進めるかについて書かれた本。具体的かつ体系的に書かれているのが特徴である。 ワークショップには、組織型(問題解決型)、社会系(合意形成型)、人間系(教育学習型)およびそれらの複合型がある。 ワー…

ようこそ熱海市へ。有数のリゾート熱海復活の背景。「熱海の奇跡」

著:市来 広一郎 1960年代には年間宿泊者数530万人を誇り日本一の温泉街だった熱海は、その後大きく低迷する。2011年の年間宿泊者数はピークの半分以下の246万人にまで落ち込む。しかし、その後若者を中心に熱海が人気となり、2015年には年間宿泊者数が308万…

非常識の中から見えてくる、本当に大切にすべき常識。『安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生 』

著:安田 隆夫 「私の半生やドンキ起業のいきさつについては、できれば公開したくなかった。ハチャメチャなことが多すぎて、人様に誇れるようなものは何一つないからだ。今回、私が自分の人生をさらけ出す決意を固めたのは、かつての私のように社会のそこか…

東芝メモリは事実上韓国のSKへ売却されている。それにしても、あの名門企業がどうしてこんな風になってしまったのか。「東芝の悲劇 (幻冬舎文庫) 」

著:大鹿 靖明 「東芝は、経済環境の激変や技術革新の進化の速度に対応できず、競争から落後したわけではなかった。突如、強大なライバルが出現し、市場から駆逐されたわけでもなかった。その凋落と崩壊は、ただただ、歴代トップに人材を得なかったためであ…

なぜ、ユニフォームは、働く人を美しく魅せるのか?

著:長尾 孝彦 日本のユニフォームの市場は年間5000億円くらい。通常のアパレルとは違い、高い耐久性と機能性が求められ、企業によっては何年も同じユニフォームを利用するので長期間在庫を抱えて安定的に供給することが必要になる。 ユニフォームは、ワーキ…

アイリスオーヤマの経営理念 大山健太郎 私の履歴書

著:大山 健太郎 42歳の若さで末期ガンの父親が他界し、社員5人の関西の小さなプラスチック工場の後を継いで社長になったのは19歳のとき。 不眠不休で働き、工夫を重ね、何度か危機に直面しながらもそれを乗り越えて現在の『アイリスオーヤマ』を築いた大山…

クレイトン・クリステンセンの歴史的名著。「イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき」

著:クレイトン・クリステンセン、監修:玉田 俊平太、訳:伊豆原 弓 あまりに有名な本である。本書の特徴は、イノベーションを、「継続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」の2種類に分類して解説を試みている点である。 前者は、従来の製品の性…

図解 募集から内定までの採用マニュアル

著:本田 和盛 人材の調達は多様化しているが、基本的には「育てる」「買う」「借りる」の3つで考えればよいという。また、アウトソーシングも考えるべきだという。 また、人材採用を検討する場合は、「どんな人を採用するか」よりも「どんな仕事をしてもら…

日本企業では欧米型のコンサルティングビジネスはうまく機能しない。『コンサルは会社の害毒である』

著:中村 和己 あまりにズケズケと書きすぎではないかと思えるくらい、ストレートな表現に満ちた本である。読者の多くは、読んでいる間に一度はなんらかの不快感を覚えるのではないだろうか。特に、実名で名前が挙がっている企業の関係者はそうだろう。日本…

幅広い視点から省エネルギーについて解説。『図解入門ビジネス 最新 省エネビジネスがよ~くわかる本』

(著:今村雅人) 「省エネ」の定義は、「エネルギーを無駄なく、効率的に消費すること」だという。エネルギーの定義は様々だが、本書では、電気エネルギーと熱エネルギーに注目している。省エネビジネスは地味だが成長産業である。日本はエネルギー効率では…

ビジネスモデルキャンバスを使った新規ビジネス創出のフレームワークと手法をビジュアルに解説。『ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書』

著:アレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュール、訳:小山 龍介 ビジネスモデルの青写真作成の過程を、ビジュアルで直感的でわかりやすい形でフレームワーク化した本。オールカラー。横長で、中身のページデザインも洗練されている。そして、見やすく…

経営の神様の前向きで小気味よいアドバイスの数々。「ジャック・ウェルチの『私なら、こうする!』」

著:ジャック ウェルチ、スージー ウェルチ、訳:斎藤 聖美 「次の時代に伸びると予想される分野は何かをぜひ話してあげて欲しい。だが、大好きなことをやるべきだよと、もっと強く話して欲しい」。 引退後にいろいろな人から相談を受けた回答集を本にしたも…

経営戦略の骨子をやさしく解説。「実は面白い経営戦略」

著:野田 稔 経営戦略についてやさしく書かれた本。いろんな経営理論を著者の経験と知識に基づいて咀嚼して解説している。 戦略とは強くなることではなく、勝つためのものである。 経営に唯一絶対の正解はなく、時の流れとともに変化する。 経営理念は変わら…

半導体と電池の日本企業。JR北海道の闇。「週刊東洋経済 2018年6/30号」

ビッグデータとEVで盛り上がる半導体と電池関連企業の特集。以下のような分野があり、それぞれ代表的な日本企業とその世界シェアが記載されている。 半導体関連の主な日本企業 NAND型フラッシュメモリ:東芝メモリ(2位、16.5%) シリコンウェア製造:信越化学…